クリスマスツリーの飾り付けはそれぞれ意味があります。クリスマスツリーにモミの木が使われる由来と飾り付けをする理由、さらに15種類にも及ぶ飾り付けの正式名と意味を紹介します。あらかじめ読んでおけば、お子さんに飾り付けの意味を聞かれても大丈夫ですね。

クリスマスツリーの飾りの意味と由来。なぜツリーに飾りをつけるようになったの?

クリスマスといえばキリストに関するお祭りというイメージ強いですが、実はドイツが起源とされています。

当時、ドイツではカシの木を使って冬至の祭りをする習慣がありました。

この祭りは神聖なもので、原住民は使用するカシの木への強い信仰心を持っています。

そこへキリスト教の信者たちがやってきて、原住民をキリスト教へ改宗したのです。

キリスト教ではモミの木は神様が宿るとされており、樹木つながりでモミの木へを信仰するように促しました。

そこからクリスマスツリーとしてモミの木が広まっていきました。

モミの木はカシの木と同じく常緑樹という種類で、冬でも一年中葉をつけるのが特徴です。

その性質から「永遠の命」とも呼ばれます。

クリスマスツリーに飾り付けをするようになった由来

クリスマスツリーの飾りは「オーナメント」といい、由来には2つの説があります。

ひとつは、ドイツの言い伝えで、「モミの木に宿る小人が幸せを運んでくれる」というものです。

そこから小人が離れていかないように飾り付けをする習慣が生まれて広まった説です。

もうひとつは、ドイツの神学者ルターの話です。

ルターはクリスマスイブの日に、木々の隙間から空の星が輝くのを見ました。

それらがあまりに美しかったため、再現しようと家にモミの木を用意し飾り付けた、という説ですね。

クリスマスツリーの飾り(オーナメント)の種類

クリスマスツリーの飾りにもそれぞれ意味があります。サンタクロースやトナカイやプレゼントボックスなら、なんとなくわかりますが、深い由来があるオーナメントも多いんです。

知っておくとお子さんとの会話も弾みますよ!

トップスター

トップスター

クリスマスツリーの一番上に飾られる星のことです。

キリストが生まれたことを離れた地にいる賢者たちに伝えたとされます。

そして賢者たちを、キリストのいるベツヘレムという場所まで案内したことから、別名「ベツへレムの星」と呼ばれました。

写真はシルバーですが、ゴールドの星を飾ることも多いですね。

トップエンジェル

トップエンジェル

ツリーの一番上につける天使の飾りのことで、イギリスではトップスターではなく天使を一番上に飾るのが定番です。

天使は神の使者であり、キリストの誕生を伝える役目がありました。

トップにつけないで、枝にぶら下げるタイプのエンジェルのオーナメントもあります。

オーナメントボール

金色と赤のオーナメントボール

金や銀などのキラキラした玉飾りのことでして、色によって意味が違います。

・赤:キリストの血、生命力

・白:キリストの清い心、純潔

・緑:常用樹、永遠

・金、銀:高貴、気高い

もとは、リンゴをオーナメントとして飾っていました。キリスト生誕の劇に出てくる、アダムとイブの話の中で、食べてはいけない禁断の実、知恵の実としてリンゴが登場します。

19世紀になって、リンゴに変わってガラス球が飾られるようになりました。

キャンディケイン

キャンディケーン

シマシマ模様の杖のことです。

クリスマスに、サンタクロースの靴の形をしたお菓子入れに一緒にあるのを見かけますね。

この杖は羊飼いの持っている杖のことで、迷った羊を導くことから「困ったときはお互いに協力し合うこと」の精神を説いています。

ちなみに、色の意味はオーナメントボールと同じで、赤はキリストの血、白は純潔です。

電飾・ろうそく

切り株に入ったロウソク

世界を照らす光という意味があり、これはキリストのことを表しています。

今はもっぱらチカチカ点滅する電飾になっていますが、元々はろうそくを使っていました。電気が発達し、火気は危険ということで次第に便利な電飾へと変わっていきました。

ろうそくを使っていたときはツリーの近くに水を用意していたんですよ。

ベル

ベルのオーナメント

キリストが生まれたことを知らせた、天使のベルを表しています。

その他にも、ベルの音で迷わずに神のもとへ行けるようにという意味も。

柊(ひいらぎ)

ヒイラギ
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柊はキリストが処刑されるときにかぶっていた茨(いばら)の冠を表しています。

そして、柊にある赤い実。

これは処刑されたキリストの流れる血です。

とても物騒に思えるかも知れませんが、柊は神聖なものとして扱われていました。

柊の特徴であるトゲトゲの葉には魔除けや、災厄から身を守る力があるとされており、飾り付けの由来となっています。

靴下

クリスマスの靴下

クリスマスといえばプレゼント、プレゼントといば靴下ですね。

実はサンタクロースにはモデルとなった人物がおり、その人物のエピソードが靴下に関係しています。

その人はニコラウスというギリシャ人の司教です。

キリスト教の教えを守る聖人で、特に子どもたちへの守護に重きを置きました。

ある家庭で子どもたちが貧窮していることを知ったニコラウスは、その家の煙突に金を投げ入れました。

すると、投げ入れた金が偶然、暖炉にあった靴下に入ったのです。

これが靴下にプレゼントを入れる風習の由来となり、ツリーにも飾られるようになりました。

ジンジャーブレッドマン

ジンジャーブレッドマン

その名の通り、ジンジャー(生姜)の入った人の形をしたクッキーです。食べるだけじゃなくて、オーナメントとしてもツリーに飾られます。

ジンジャーブレッドマンが飾られるようになったのは諸説あり、

ひとつは、クリスマスにお肉を買うことができなかった貧しい人が、肉の形を模してクッキーにした、という説。

もうひとつは、イギリスの王であるヘンリー8世を表しているという説です。

当時、流行していたペストの対策として生姜を食べることを国民に勧めたことから、ヘンリー8世を模したのではないか、ということです。

リボン

リボン

リボンは愛の象徴とされ、互いが永遠に結ばれるという意味があります。

十字架

十字架

十字架は神と人間が対等であるという証です。

十字は神と人間が交差するさまを表しており、互いに喜怒哀楽を共有するという意味があります。

松ぼっくり

松ぼっくり

キリストを身ごもった聖母マリアと婚約者ヨセフが命を狙われ逃亡していたところ、モミの実のついたモミの木が枝を広げてかくまった、というお話があります。

そのモミの木は「勇者のモミ」と呼ばれたことから、クリスマスツリーにはモミの実を飾ることになりました。

しかし、実際、モミの実は10~15cmというサイズの円柱形。10月ごろまでは緑色で、熟すと灰褐色がかった色になるという、なかなか大き目のアイテム。
そして残念なことに、もみの実は、枝についたまま実がばらけて、中の種子をばらまきながら落ちる性質があり、実を取っておくことができないんです。

モミの木はマツ科モミ属。
形が似ていて、実を取っておくことが楽で、同じマツ科のマツ属の実である「松ぼっくり」が代用されることになりました。

実はもみの実の代用品!という由来です。

 

モール

クリスマスツリーのモール

色付きの糸や紙片を絡ませたモールはクモの糸を表現しており、「感謝のしるし」という意味があります。

これはイエスが殺されそうになり、逃げ込んだ洞窟の入り口をクモが巣を作って塞いだことから由来しています。

助けてくれたクモへの「感謝のしるし」ということです。

ブドウ

ブドウは聖書の中で数多く使われています。

例えば、イスラエル・パレスチナ民族の間では、ブドウの木は聖なる木とされ、祭事の際にはブドウ酒がよく飲まれました。

そして、絵画で有名な最後の晩餐ですが、キリストは自身が十字架にかけられることに、血をブドウ酒、肉をパンに例えて伝えていくよう弟子に話しています。

キリスト教ではブドウを聖なるものとして扱っているのです。

鳩といえば平和の象徴として有名です。

聖書にある「ノアの箱舟」の話によると、

洪水が起こったあと、水が引いたか確かめるためにノアは鳩を放ちました。

すると、鳩はオリーブの葉をくわえて戻り、水が引いたことを知らせたことから「平和の象徴」と言われるようになりました。

その他にも、キリストが洗礼を受けた際に神の霊が鳩の形で降りてきたことから、「精霊の象徴」とされるなど、キリスト教にとって鳩は重要な意味を持つのです。

まとめ

クリスマスツリーの飾りにも、それぞれの意味と由来があります。子供から「どうして?」と聞かれてもこれでばっちりですね。

ツリーの飾りは、市販のものだと、ご紹介したすべてを飾っていないこともあります。日本では特に、すべてを飾らないとダメだというルールもないので、好きなものを飾るといいでしょう。

クリスマスツリーの飾りつけから楽しんで、年末を盛り上げていきましょう。

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