季節が秋から冬に向かって進んでいくと、気温が下がってきてだんだん部屋で過ごすのも寒くなってきます。

寒い時には暖房器具をつければいいのですが、部屋に大きな窓があったりすると暖房器具をつけてもなかなか暖まりません。

かといって長時間つけていると電気代やガス代がかさんでしまいますし、仕方なく寒さを我慢して過ごしている人も多いのではないでしょうか。

そんな時は暖房器具と家でできる断熱対策を組み合わせれば、より効率よく部屋を暖めることができます。

今回は効率のいい暖房器具の使い方や窓を中心にした断熱対策などについてまとめました。

これを読んで寒い秋冬を快適にすごしてくださいね。

部屋を暖めるのに効率がよいのは?

寒い部屋を効率よく暖めるには、まず早く暖まる暖房器具を使うこと、次に部屋から熱が逃げないようにすることです。

まず暖房器具の代表的なものはエアコンやファンヒーター、ストーブなどが挙げられます。

この中で早く暖まるものから並べると、石油・ガスファンヒーター>石油・ガスストーブ>エアコン>電気ファンヒーター>電気ストーブ>オイルヒーターとなります。

それぞれについてご紹介します。

暖めるスピードは一番!石油・ガスファンヒーター

石油・ガスファンヒーターは燃料を燃やして温風を送りだす暖房器具です。

実際に火を使って熱を出すため電気を使った暖房器具よりも暖房効果が高く、暖まる速度も早いのが特徴です。

ガスとIHのコンロの関係と同じく、電気をつかったものはスイッチを入れてから暖まるまでの時間がかかるに対し火を直接燃やすものはすぐに高い熱が発生します。

加えて温風が出る分ストーブよりも早く部屋全体を暖めることができますので、とにかく早く暖まりたい時は石油やガスのファンヒーターがおすすめです。

ファンヒーターを使う場合は気温が低い窓の近くから部屋の中に向かって置くと、部屋内の温度差が少なくなり全体が効率よく暖まります。

高い熱でじっくり暖まる石油・ガスストーブ

石油・ガスストーブは温風が出ないためファンヒーターよりも暖まる速度は落ちますが、すぐ高い熱が出るためそれ以外の暖房器具よりは早く部屋が暖まります。

ストーブは対流式の暖房器具に分類され、ストーブの発する熱が部屋の上に登り、上から部屋を暖めます。

そのため部屋の中心に近いところに置くと効率よく部屋が暖まります。

併せてストーブの上に水を入れたやかんを置けばそこから発する蒸気で湿度を上げ、さらに体感温度を上げられます。

少し時間はかかるが部屋全体が暖まるエアコン

エアコンは石油やガスの暖房器具に比べると時間はかかりますが、上から温風を出すため部屋全体を暖めることができます。

弱点は上から空気をふき下ろす形のため、暖かい空気が上に集まり床付近が暖まりにくいことです。

そのため床付近に座ったり寝たりすることが多い部屋だとつけていても暖かくなるのに時間がかかります。

エアコン単体に加え、サーキュレーターを使って空気を循環させるなどの工夫が必要になります。

床付近も暖まる電気ファンヒーター

電気で熱を起こして温風を出す電気ファンヒーターはエアコンよりも暖房能力は落ちますが、下に置く形なので床付近から暖めることができます。

また石油やガスなどを燃やす暖房器具には一酸化炭素中毒や倒した時火災になる危険性がありますが、エアコン含む電気の暖房器具は比較的安全です。

部屋を早く暖めたい場合には向いていませんが、安全面を重視するなら電気の暖房器具を使うのもいいでしょう。

部屋ではなく人を暖める電気ストーブ

電気ストーブは電気で赤外線を放射して暖めるもので、ハロゲンヒーターやカーボンヒーター、セラミックヒーターなどの種類があります。

人やひざかけの毛布など暖める対象物に赤外線を当てて暖めるものなので、部屋全体を暖めるのには向いていません。

人は暖まりますが、部屋は暖まらないことを覚えておきましょう。

早くは暖まらないが安全性は一番高いオイルヒーター

オイルヒーターは電気で熱したオイルで部屋を暖めるもので、不完全燃焼の心配がなくやけどの心配も比較的少ないなど安全性が高いのが特徴です。

ただ即効性が薄く暖まるまでには30分から1時間程度が必要なので、その時間が待てない場合は他の暖房器具を併用する必要があります。

さらに外気が入ってきやすい部屋だとなかなか暖まりません。

部屋を早く暖めるのには向いていませんが、赤ちゃんなどの就寝時に使うのであれば安全面のメリットを生かせます。

部屋別のおすすめ暖房器具

部屋別で言うとリビングなどの広めの部屋ではエアコンや石油もしくはガスのファンヒーターやストーブ、それより狭い個人の部屋などではそれ以外の暖房器具を使うのがおすすめです。

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加えて部屋の中で動きたい場合にはエアコンやファンヒーター、あまり動かないのであればストーブ、寝る時など安全に使いたい時はオイルヒーターといった形で使い分けてみてはいかがでしょうか。

もちろん同じ暖房器具でも大きさや出力によって合った広さがありますので、それも確認して使いましょう。

暖房効率を上げるには窓から温度を逃がさない対策が必要

暖房を効率よく行うには暖房器具を正しく使う事に加え、部屋の断熱効果を高めることで最大限の効率を発揮できます。

特に窓は、寒い時期では部屋の熱が逃げる大きな原因となります。

資源エネルギー庁の計算によると、冬の暖房時に熱が逃げる割合は屋根が6%、換気で17%、床が10%、外壁が19%、そして窓などの開口部が48%と窓からの割合がほぼ半分になっています。

そのため、窓の断熱効果を高めれば必然的に暖房の効果も上がります

窓の断熱効果を高めるには以下のような方法があります。

カーテンを工夫する

まず窓の前にかけるカーテンを通常のものから断熱カーテンや遮光カーテンにするのが一つです。

断熱カーテンは布を複数重ねたカーテンで、中に空気の層ができるため、通常のカーテンよりも高い保温効果が期待できます。

厚手になるので風が通りにくく閉めると真っ暗になってしまいますが、その分効果は高くなります。

遮光カーテンは光を遮ることを目的としたものですが、断熱カーテンと同じく複数枚重ねているものがあり、同様の効果が期待できます。

窓用の断熱シートやスプレーを使う

次に窓用の断熱シートやスプレーを使う事です。

断熱シートは窓に貼ることで空気の層を作るものとアルミなど素材の遮熱効果で断熱をするものに分かれます。

アルミなどの素材のものは外が全く見えなくなるので、それが嫌な場合は透明性の高いものを選びましょう。

断熱スプレーは窓にシリコンコーティングをすることで、断熱効果を高めます。

効果は断熱カーテンやシートよりも落ちますが、光をほとんと遮らないので外の光を入れたい時はこちらがいいでしょう。

エアーキャップ(プチプチ)を窓に貼るのも、空気の層ができ断熱シートなどと同様の効果があります

隙間テープを貼る

窓やドアに隙間がある時は、隙間テープを貼ることで空気が外に逃げなくなり、暖房効果が高まります

粘着テープで接着する形になるので、貼るところの汚れをきれいにしてから貼ります。

窓が多い場合は全部に貼るのは大変なので、リビングなど暖房を使うところだけにしてもいいでしょう。

内窓を作る、窓を複層ガラスに替える

窓自体を内窓にしたり、複数層のガラスに替えるのも一つの手段です。

これも一枚でなく複数層になるため、断熱、防音効果などがあります。

こちらは自分で交換するのは難易度が高い為、業者に頼んで交換してもらう形になります。

費用は数万円~10万円以上になることもあり、かなりお金がかかってしまうのがネックです。

それでも寒い時に部屋を暖める方法

暖房器具と窓の断熱対策をしてもまだ寒い、という場合は以下の暖房対策を併用してみましょう。

窓下ヒーターを併用する

窓下ヒーターは冷気が入ってくる窓の下から上に向かって暖かい空気を出すものです。

窓の周辺は部屋の中でも気温が低いので、そこを重点的に暖めることで室温が下がるのを防ぎ、窓の結露も防ぎます。

単体で部屋を暖めるほどの出力はないので、暖めた部屋の温度を保つ目的で使いましょう。

暖房する空間を狭くする

扉や押し入れのふすまなど、閉められるものは閉めて暖房する空間を狭くすれば、暖房の効率も上がります。

暖める部屋以外の扉も閉めて、できる限り熱を外に逃がさないようにしましょう。

エアコンの室外機の周りを整理する

次にエアコンは室外機から空気を取り込みにくくなると性能が低下します。

もし室外機の周りにものが置いてあったりして空気を取り込みにくくなっている場合はそれを取り除きましょう。

湿度を上げる

部屋が乾燥している場合は加湿器などを使って部屋の湿度を上げてみましょう。

暖房器具メーカーのダイニチ工業のデータによれば、同じ20度の室温であった場合湿度が20%の時の体感温度は17.6度ですが、湿度が60%の時は19.1度と1.5度上昇しています。

冬場の適正な湿度は40~60%なので、その範囲に湿度を保つことで暖房器具の設定温度に近い体感温度になります。

おわりに・まとめ

寒い時の効率の良い暖房の仕方は、正しい暖房器具を選ぶことと部屋の断熱性を高めることです。

それでも寒い場合は補助的な暖房器具を使ったり、湿度を上げたりして部屋の温度を保ちましょう。

効率よく暖房して、快適で健康な秋冬を過ごしてくださいね。

あなた以外にも寒さ対策に困っている人がいたらシェアして教えてあげましょう。

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