秋の味覚・銀杏(ぎんなん)。

秋の街を黄色く彩る、イチョウのメスの木になる実でもあります。

独特な臭いのイメージもあってその存在は広く知られていますが、自身で調理したことがある人ってなかなかいないのでは?

今回はそんな銀杏について、食べ方や下処理の方法、食べ過ぎへの注意点などをまとめました。

銀杏の基本的な食べ方は?どんな料理?どうやって食べる?

銀杏は四層構造になっていて、いちばん外側から「外層(臭い部分)」「中層(硬い殻)」「内層(薄皮)」「種子」に分かれています。

銀杏の実

私たちが普段食べている銀杏はいちばん内側にある種子の部分です。

銀杏の中身

銀杏は基本的に殻を向いて、加熱してから食べます。

フライパンなどで炒ったものに塩をまぶして食べたり、

炒ったものを串に刺して軽く焦げ目がつくまで焼いた「串焼き」

茹でたものを塩とともにごはんに混ぜて「銀杏ご飯」

銀杏を具材として使った「茶碗蒸し」

などいろいろな食べ方がある食材でもあります。

銀杏の簡単な食べ方を知りたい!下処理や調理法は?

親戚から貰ったり、公園で拾ったりして外層(果肉)がついている場合は、食べる前に下処理が必要です。

やり方は

 

①水を張った鍋に銀杏を入れて、外層が腐るまで(3日ほど)放置する。

②ザルにとって流水で外層を洗い流す。

③色が白くなるまで2~3日天日干しする。

 

これで下処理が完了です。

下処理をするときは、必ずゴム手袋をして作業してください。

刺激が強いため、手が荒れてしまいます。

また、臭いも強いですので、できれば屋外での作業をおすすめします。

銀杏の下処理は放置の時間がほとんどとはいえ、なかなか手間暇がかかります。

スーパーなどではここまでの下処理をしてあるものも売っていますので、「すぐ食べたい!」という人はそちらを利用するのも手ですね。

銀杏の簡単な割り方と食べ方は電子レンジで!

銀杏のいちばん楽な調理法は電子レンジを使う方法です。

つくり方はとっても簡単。

初めて銀杏を調理する人にもおすすめです。

 

①あらかじめ殻にペンチや金づちでヒビを入れておく。

②封筒に入れてしっかり口を閉じる。

③レンジに入れて加熱(まず30秒、その後10秒ずつ追加で加熱がおすすめ)

④ポンッポンッっと破裂音が数回鳴るまで加熱したら完了です

 

さて、電子レンジ加熱をしたら、

これですぐ皮がむける状態になるので、あとはそのまま食べても美味しいですし、塩を振ってもいいですね。

焼きぎんなん
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銀杏を保存するときの下処理

銀杏は冷凍保存ができますが、その際にも下処理が必要です。

こちらも外層(果肉)が付いたままでは冷凍保存できないので、上記の方法で取っておいてください。

 

①沸騰したお湯に塩を一つまみ入れて、皮を割った銀杏を入れる。

②おたまの底などで銀杏を押し付け、薄皮をはがす。

③数分茹でたら取り出し、数個ずつ空気を抜いてラップし、冷凍庫に入れる。

 

これで約半年は保存ができます。

銀杏は一度に食べすぎると中毒症状を引き起こすことがあるので、保存の際は一度に食べる分ずつ小分けにして冷凍してくださいね。

銀杏を食べる時の注意とは?食べ過ぎるとどうなる?

美味しいのでついつい食べ過ぎてしまう銀杏ですが、食べ過ぎによって中毒を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

銀杏中毒になるとどんな症状が起こるのか。

以下にざっとまとめてみました。

 

皮膚炎・うつ状態・脳波異常・痙攣・発作

不整脈・顔面蒼白・呼吸困難・めまい・意識混濁・麻痺

嘔吐・便秘・発熱

 

とても恐ろしいですね…。

発症すると病院で処置しても半日~4日間ほど症状が続き、最悪の場合は死に至るケースもあります。

最近はあまりないようですが、実際に死亡事故も起こっています。

銀杏中毒の原因は?成分は?

いったい何が中毒の原因なのかというと、銀杏に含まれる「メトキシピリドキシン」という成分です。

この成分は「アンチビタミン成分」とも呼ばれ、体内のビタミンB6の働きを妨害し、ビタミンB6不足による身体の異常を引き起こします。

そのため栄養のバランスが偏っている人、特にビタミンB6が不足している人は、銀杏の中毒症状が起こりやすいと言われています。

銀杏を一度に食べてもいい量は?

さて、ではどのくらいの量を食べていいのか?ですが、

大人:40個

子ども:7個

これより多く食べてしまうと危険だと言われています。

(公益財団法人日本中毒情報センター・保健師、薬剤師、看護師向け中毒情報よりhttp://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70067_0100_2.pdf)

 

ただし大人でも10個で中毒を起こしたという人もいれば、一日5個を数日間連続で食べ続けて発症したという人もいます。個人差が大きいということは頭に入れておいた方がいいでしょう。上記の数字も目安程度に考えてください。

銀杏の中毒で病院を受診する人の多くが子どもだと言われています。

特に子どもに食べさせる際は注意が必要です。

銀杏を食べてもし中毒症状を発症したら

速やかに病院を受診しましょう。

また、痙攣を誘発する恐れがあるので、できるだけ吐かせないようにする必要があります。

症状がすぐおさまっても、再び中毒症状が出ることもあるので病院を受診するのが無難です。

・何個たべたか

・いつごろ食べたか

・いつごろ体調が悪くなったか

などが分かると病状の把握がスムーズにできるようになるので、医師に伝えるようにしましょう。

 

まとめ・おいしく適度に食べれば大丈夫

今回は銀杏について、食べ方や下処理の方法、食べすぎへの注意点などについて解説してきました。

中毒についての注意点もご紹介しましたが、食べ過ぎに気を付ければ過剰に避ける必要はありません。

銀杏自体にも豊富な栄養素が含まれていますし、容量を守っておいしく秋の味覚を味わいたいところです。

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