2018年の流行語大賞の候補、ノミネートが、ユーキャンから今年も発表されました。一覧にして、それぞれの言葉の意味などを解説します。大賞発表日も併せてお伝えしますね。

「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞2018

毎年、その年の世相を表すとして注目される、ユーキャンの流行語大賞。

今年2018年は35回目です。

この賞は、1年の間に発生したさまざまな「ことば」のなかで、軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語を選ぶとともに、その「ことば」に深くかかわった人物・団体を毎年顕彰するもの。

このノミネートされた候補から、大賞の言葉が10個選ばれることになります。

ちなみに選考委員は、

・姜尚中(東京大学名誉教授)
・金田一秀穂(杏林大学教授)
・辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
・俵万智(歌人)
・室井滋(女優・エッセイスト)
・やくみつる(漫画家)
・清水均(『現代用語の基礎知識』編集部長)

となっています。

2018年流行語大賞候補。ノミネート語一覧

では、ノミネートされた流行語大賞候補30語を、ざっくりとそれぞれ見ていきましょう。

それぞれの言葉の背景には濃厚なニュースがありますが、今回は一覧で、さらっと行きます!

あおり運転

前の車に接近したり急な割り込みをしたりする、「煽る運転」のこと。

2017年に、神奈川県の東名高速道路で、いわゆる「あおり運転」で、走行中の萩山さん一家のワゴン車に妨害行為を繰り返して追い越し車線上で停止させ、ワゴン車が車線で停車したところ、後続車に追突され夫婦が死亡、同乗の娘2人がけがをした事故がありました。

尚、現在、この事故の裁判が2018年12月3日から審理開始、14日に判決が言い渡される予定で進行中。

この事件の後から、ドライブレコーダーが普及してきているので、あおり運転の動画がYouTubeにもよく上がっています。

悪質タックル

2018年5月6日、日本大学アメフト部が、関西学院大学アメフト部との定期戦で行ったタックル。

プレーが終了したにもかかわらず、関西学院大学側のボールを持っていない選手に背後からタックルするという悪質行為をした上に、同じ選手によるタックルをエスカレートさせ、その後2回も行なった。

最初にぶつかられた選手は腰に3週間の怪我を負った。

2回目の危険なタックルでも退場処分を下さず、

日本大が設置した第三者委員会により「このタックルは(前監督の)内田正人氏と(前コーチの)井上奨氏の指示で行われたものである」とする中間報告が出され、パワハラ問題があったとして話題に。

No.03 eスポーツ

エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)の略称で、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使ったスポーツ競技のこと。

競技者は「プロゲーマー」であり、ゲーム競技のプロが認知されるようになってきている。

プロ化されてからの20年くらいであり、国内外で高額の賞金がかかった大会も年々増えて来ているが、世界に比べて日本はまだ後進国。

(大迫)半端ないって

ロシアで開催されたサッカーワールドカップの初戦・コロンビア戦で、決勝ゴールを決めたFW大迫勇也(28)のプレーに対する言葉。

言葉の発端は、2009年の全国高校サッカー選手権で当時、滝川二高の中西隆裕主将が、準々決勝で大迫が在籍する鹿児島城西高に完敗。

試合後にロッカールームで相手校のエースだった大迫を『あいつ半端ないって〜っ!』と泣き笑いで言った強烈な映像がネット上で大流行したことから。(つまり大迫本人の言葉ではない)

再生回数はトータルで500万回を超える勢いとなり、サッカーに興味がない層にまで広がり、応援にも使われた。

海外でもHANPANAIということばがメディアで取り上げられるほどに。

おっさんずラブ

田中圭主演で話題となったテレビ朝日系列の土曜ナイトドラマ。

おっさん部長が部下のモテナイおっさん男に恋をして、その男にはドSの部下のおっさんも恋の告白をするというラブコメディ。

「この春いちばんピュアな(おっさん同士の)恋愛ドラマ」と題された内容は、設定に驚きを感じさせられつつも話に引き込まれる人が続出。

6月2日の最終回を前に、公式インスタグラムのフォロワー数が30万人超え、SNSで盛り上がりを見せた。

GAFA(ガーファ)

世界的に個人データを圧倒的な規模で集めている勝ち組企業のことをさす。金融用語の一つ。

「Google(グーグル)」、「Apple(アップル)」、「Facebook(フェイスブック)」、「Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)」の4社の頭文字をつないだ呼称。

データが企業に蓄積されて活用される反面、市場での公平な競争を阻害するとの懸念も上がっている。

仮想通貨/ダークウェブ

ダークウェブとは、匿名化ツールでなければ接続できないサイトなどが集まったサイバー空間のこと。特定のブラウザをダウンロードしないと見れない空間で、一般人からは縁遠い違法な取引が横行している。

2018年1月26日、日本の仮想通貨取引所の大手であるコインチェックから、約580億円分のNEM(仮想通貨のひとつ)が何者かによって盗まれた事件で話題に。

ブロックチェーンといったほかの言葉とではなく、「ダークウェブ」と仮装通貨が抱き合わせでノミネートされることで、仮装通貨の印象が悪くなるという懸念も。

金足農旋風

夏の、第100回全国高校野球選手権大会で、金足農(秋田)が秋田県勢として103年ぶりの準優勝。

誰も注目していなかった秋田の農業高校が勝ち上がる姿が全国の高校野球ファンを大いに沸かせた。

選手層は薄スタメンは固定。金足農のピッチャーが最後に投げられなくなり、名門大阪桐蔭に負けてしまった。

投手の吉田選手はプロ野球へ。

カメ止め

映画「カメラを止めるな!」の略。

芸能人が口コミをしたことで広まったゾンビ映画。小予算であるにも関わらず、ストーリー構成や撮影方法に意外性があり、瞬く間に話題に。

同じ設定で(タイトルは違うが)劇団でやっていたストーリーがあり、映画監督との間で内容をそのまま使うという話が出ていた。ヒットしてしまったがために後々問題になったという話題もあり。

君たちはどう生きるか

吉野源三郎の小説。元は児童書。漫画化されたものが大人を中心に発売半年で170万部を超える異例の大ヒット。

自らを重ね合わせ、漫画を読み、出版元にも、4000通にも及ぶ反響の声が届いた。心の中の後悔を見直すヒントがちりばめられている。

2020年にはCGアニメ化も予定されている。

スポンサーリンク

筋肉は裏切らない

NHKで放送された『みんなで筋肉体操』。番組で筋トレ指導を担当した近畿大学生物理工学部准教授の谷本道哉氏が放った言葉「筋肉は裏切らない!」「あと5秒しか出来ません!」が話題に。

俳優・武田真治と庭師・村雨辰剛、弁護士・小林航太の筋肉自慢3名が円形の舞台に立ち、無言で筋トレをするストイックな5分間番組。

NHK番組でありながら、攻めているとネット上でも話題になった。

 グレイヘア

白髪染めをやめ、白黒交じった髪色を生かすスタイルを指す言葉。「グレイヘア」で近藤サトさんがテレビに出るようになり話題に。

「白髪スタイルは老化の象徴」と思われた時代と違い、あえて白髪染めを卒業し、年齢を重ねることを肯定的にとらえる姿勢や、肌の問題で白髪が染められないなどその背景は様々。

計画運休

2018年は台風が日本列島を直撃し、交通機関へもダメージを立て続けに与えた。

台風などの際に予告して、列車の運行を取りやめる「計画運休」が行われた。

また、JR東日本は、計画運休を実施前日に公表することを明らかにした。

高プロ(高度プロフェッショナル制度)

働き方改革関連法案が通過。基本となる法改正が可決した段階で、今後、具体的な適用範囲や細則が省令で決められます。

その中で、高度に専門的な労働をする人が、労働時間や残業などの制限にとらわれない契約を結ぶ制度を高プロという。

「成果に見合った給与をもらえる」という面もありながら、「定額で働かせ放題」になる懸念もあり賛否両論。

ご飯論法

「朝ごはんは食べたか」→「ご飯は食べてません(パンは食べたけど)」のような、加藤厚労大臣のかわし方。

「追及かわし」の手法を、法政大学キャリアデザイン学部教授の上西充子氏が命名。

災害級の暑さ

7月23日に、気象庁が異例の緊急会見を開き、「気温が高い状況が8月下旬まで続き、熱中症で命を落とす危険もある」と注意を呼びかけるほどに。

その際、2018年の記録的な暑さを、「災害級と認識している」と言った。

時短ハラスメント(ジタハラ)

働き方改革と関連。

具体的な内容を指示せず、労働時間を減らすように時短を強要し社員にプレッシャーを与える行為のこと。

首相案件

加計学園問題で、愛媛県の面会記録に「首相案件」と書かれていた。

この一言で、加計学園ありきで話を進め、便宜を図ったのではないかという疑惑をマスコミが持ったことで話題に。

翔タイム

野球選手、大谷は今季からメジャーリーグでプレー。

野球界では前代未聞の投打二刀流で、米球界に大きな衝撃を与え、米メディアでは「SHOWTIME(ショータイム=翔タイム)」と呼ばれた。

大谷はアメリカではベイブルースと比較されるほどに。

スーパーボランティア

山口県周防大島町で行方不明となっていた2歳男児を、長年の経験と知見により発見した、ボランティアの尾畠春夫さんを称して。

お酒も飲まず、貯金もなく、健康保険は11年間使用しない健康体。男児発見後も全国の災害地を回ってボランティアを行っている。

そだねー

平昌五輪で銅メダルに輝いたカーリング女子日本代表「LS北見」。

彼女たちが試合中に使っていた掛け声が「そだねー」。「そだねー」は標準語の『そうだね』に当たる北海道方言。

北海道のイントネーションもあいまって話題に。

ダサかっこいい/U.S.A.

DA PUMPの 6月6日にリリースされた3年半ぶりのニューシングル「U.S.A.」

ミュージックビデオのリリースと同時に、ダサさが話題になり、本気なのか、計算なのかと発売前からSNSが騒然となる。

ダサいのに中毒性があり、なぜか頭を離れない、ダサいのにかっこいいと人気になり、MVはYouTubeで公開されてから10日で200万回再生を達成。

スーパーダサかっこいいMVとしてハマってしまう人が続出した。

TikTok

若者を中心に流行しているショート音楽動画コミュニティのアプリ。いろんなタイプの短編動画を作ることができる。

ティックトック内で新しい友達ができたり、自分なりの個性音楽動画を撮って見せることが出来る。

なおみ節

テニスプレイヤーの大坂なおみ選手の、日本語でのインタビューで聞かれる愛嬌のある受け答えが「なおみ節」と呼ばれている。その内容が話題になること多数。

奈良判定

アマチュア・ボクシングの試合で、山根明終身会長が、出身県の奈良県の選手を不公平に勝たせる判定のこと。山根会長に逆らった審判は干されてしまうなど、パワハラ問題をはらむ問題として話題に。

ひょっこりはん

吉本のお笑いピン芸人。

白いタンクトップにピッチリした青いジャージズボンと体操服を思わせる出で立ちで、BGM曲に合わせて顔をひょこひょこ出す芸を披露する。

ブラックアウト

9月6日未明に北海道胆振地方で大規模な地震(最大震度7)が発生し、北海道中が停電し、いわゆる「ブラックアウト」状態に追い込まれた。

地震が夜だったため、時間帯の統計をもとに発電量を変えており、発電量が少ない時間に一気に電力消費のピークがきたことから、火力発電所が設備保護のため止まってしまった。

泊原発が稼働していればブラックアウトは防げたとする意見もあり、話題に。

ボーっと生きてんじゃねえよ!

NHKの番組、「チコちゃんに叱られる」でCGキャラのチコちゃんの決めセリフ。

5才のチコちゃんが問いかける素朴な疑問に番組ゲストが知らないで答えられないでいると、チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と叱られる、という人気番組。MCは岡村隆史。

#MeToo

「私も」を意味する英語にハッシュタグ(#)を付したSNS用語。

セクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白・共有する際に使われる。

米国で俳優らがセクハラ被害を告発したことに端を発し、使われるようになった。

もぐもぐタイム

平昌オリンピックで、カーリングのハーフタイムで食事をとることを呼んだ言葉。

カーリングではハーフタイム中にエネルギー補給に食べ物をとってよいことになっており、カーリングのLS北見の選手たちがおいしそうにお菓子や果物を頬張りながら作戦会議をする姿が中継された。

もぐもぐタイムで食べられたスイーツも話題に。

2018年流行語大賞トップ10の発表はいつ?

流行語大賞の発表は、2018年12月3日(月)となっています。

尚、授賞語は、言葉のニュアンス違いから、表記が違ってくる場合があるそうですのでご留意を。

新語・流行語大賞トップ10に選ばれるのは何か、注目ですね。

スポンサーリンク