食材に彩りをあたえる調味料は、どの家庭でも常備されているものの一つです。
お醤油や塩に並んでよく使われるのがソースで、その中でも最も一般的なのがウスターソースです。
使ったことがない人はいないと断言できるほどの存在ですが、ソースの中にもウスターソース、中濃ソース、とんかつソースといった種類があります。
しかし家庭で使う時、これらの違いをはっきり認識して使い分けている人は少ないでしょう。
ウスターソース、中濃ソース、とんかつソースの違いを知れば、日々の食卓がさらに楽しくなりますよ!
それでは説明します。
もくじ
ウスターソース、中濃ソース、とんかつソースの違いは粘度にあった!
まずウスターソース、中濃ソース、とんかつソースは農林水産省の定める規格(JAS)によると全て「ウスターソース類」に分類されます。
それぞれの違いを簡潔に説明すると、以下のようになります。
- ウスターソースはウスターソース類で粘度が0.2Pa・s未満のもの
- 中濃ソースはウスターソース類で粘度が0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満のもの
- 濃厚ソース(とんかつソース)はウスターソース類で粘度が2.0Pa・s以上
全てウスターソースというカテゴリーになりますが、粘度によって分類されています。
つまりサラサラのものがウスターソース、どろっとしたものがとんかつソース、その中間が中濃ソースとなります。
それではウスターソース、中濃ソース、とんかつソースについてそれぞれをもう少し詳しく説明します。
ウスターソースとは
ウスターソースの起源はイングランドの中央に位置する町、ウスターに住む主婦が作ったのが始まりと言われています。
余ったリンゴを調味料と共に保存したところ溶けてソースになっていたそうで、その味が評判となりイギリス各地に広まっていきました。
それが日本にも伝わり、明治期には日本国内でも生産が開始されます。
元々のウスターソースは甘味が少ないものでしたが日本人向けに味が改良され、食文化の洋風化も伴って今では醤油や味噌などの伝統的な調味料に並ぶ地位を確立しています。
中濃ソースとは
中濃ソースはウスターソースやとんかつソースよりも歴史は浅く、1964年にキッコーマンから発売されたものが最初です。
このころウスターソースととんかつソースはそれぞれ使われていましたが、粘度が違うため料理によって使い分ける必要がありました。
しかしこの中間の粘度をもつ中濃ソースが誕生したことでこれ一本で幅広い料理をカバーできるようになり、発売していたメーカーが関東を主な販路にしていたこともあって東日本に急速に広まりました。
逆に西日本には広がらず、現在も関西のスーパーでは中濃ソースはあまり売られていません。
とんかつソースとは
とんかつソースというものそのものはJASに規定がありませんが、そのほとんどが濃厚ソースに分類されるどろっとしたソースです。
とんかつソースは1948年に神戸のオリバーソースが開発したもので、屋台で出されたとんかつにかけられていたソースがルーツだそうです。
濃厚で周囲にこぼれることがないソースはあっという間に評判となり、神戸から関西に広がっていきました。
この時たこ焼きやお好み焼きなどのいわゆる「粉もん」にかける使い方が広まり、現在に至っています。
関西の食文化にマッチしたとんかつソースとウスターソースが主流となったため、後から発売された中濃ソースは関西に定着しなかったと言われています。
ウスターソース、中濃ソース、とんかつソースの保存方法は?
ウスターソース、中濃ソース、とんかつソースは全て開封後は徐々に風味が落ちていきます。
そのため開封前は常温で、開封後は冷蔵庫に保存してなるべく早く使い切るようにしましょう。
冷蔵庫に保存する場合は状況にもよりますが、一般的な目安としてはウスターソースが60日、中濃ソースととんかつソースが30日保存できるとされています。
あまり使わないとすぐに30日くらいは経ってしまいますので、小さめのサイズを買ってこまめに使い切るのがいいでしょう。
おわりに・まとめ
いかがでしたか?
ウスターソース、中濃ソース、とんかつソースは粘度によって分類され、使われ方にも地域差があります。
特に保存に関しては案外期間が短く、使いきれないソースがずっと冷蔵庫に入っているという人も多いのではないでしょうか。
ソースの味を最大限に生かすためにも、正しい使い方と保存を心がけましょう。
話のネタ以外にも、普段からソースをよく使う人がいたらシェアして教えてあげましょう。