百貨店でお歳暮を贈る際に、「内のし・外のしどちらにされますか?」と聞かれます。どちらを指定すればよいのか、そして熨斗(のし)の名前はどう書くのが正しいのか、相手に失礼のない正しい熨斗(のし)の付け方をご紹介します。お歳暮の時期が近付いてくると、何を贈ろうか悩みますよね。贈り物を何にするかと同時に毎回気になるものが、熨斗(のし)です。考え方を学んでスッキリさせましょう!
もくじ
お歳暮の内のしと外のしの選び方は?
お歳暮の熨斗(のし)には、「内のし」・「外のし」があります。
「内のし」とは品物にのしをかけたあと包装紙で包みます。
「外のし」とは包装紙で包んだあとのしをかけます。
つまり、「内のし」ではのしが包装紙の下にあるため見えませんが、「外のし」では包装した上にかけるので、のしが見えます。
使い分け方としては、「内のし」は配送で送る場合や、控えめに送りたい場合に使い、
「外のし」は持参して渡す場合や、名前を強調したい場合に使います。
例えば、持参して相手に渡した後、お仏壇にお歳暮をお供えする場合があります。いくつもお歳暮が並んでいるとどれが誰の贈り物かわかりにくいですよね。
そのような場合には、一目見て誰が贈ったものかわかる「外のし」の方がいいでしょう。
配送の場合は内のしにすることが多い理由は、単純にのしが破れないようにするためです。また配送伝票に差出人の名前も書いてあるため、贈り主が誰か一目でわかるという理由もあります。
本来は風呂敷に包み持参することがマナーでしたが、遠方であったり多忙であるといった理由から最近は配送することが多くなりました。むしろ仕事関係のお歳暮については、先方の業務に支障がないように配送が主流となっています。
持参する場合は風呂敷に包み直すというのが正式なマナーと書きましたが、実際は紙袋で問題ありません。お渡しするときには紙袋から出し、先方が表書きを読めるように贈り物の向きを直して渡して下さいね。
基本的には、配送の場合は「内のし」、持参する場合は「外のし」です。
ただし、そうでないからといって間違いというわけではなく、土地柄や家庭による所も大きいです。迷った場合は身近な人に一度相談される方がいいでしょう。
お歳暮の熨斗に書く名前はの書き方は?姓だけ?フルネーム?
のし紙の下段(水引の下)には、「贈り主」の名前を書きます。
あなたが送るのであれば、あなたの名前を書きます。
相手の名前を書くのではないので、注意してくださいね。
この時、百貨店やギフトショップなどで、「お名前は姓だけにしますか?フルネームがよろしいでしょうか?」と聞かれる場合があります。ネット通販でも指定しなければならないケースがありますね。
どちらがいいのでしょうか。
お歳暮の熨斗に姓のみを書く場合
お歳暮の熨斗(のし)に書く名前は、ご実家や親戚などへ夫婦から贈る場合には、家族から贈るといった意味を込めて、姓のみを書くのが一般的です。
親戚以外の人に贈る場合でも、目下の人に送る場合は姓のみでも構いません。
お歳暮の熨斗にフルネームで書く場合
仕事関係の方や知人など、家族の誰かがお歳暮を個人的に送る場合には、フルネームで書く方がいいでしょう。
夫婦から贈る場合でも、田中、山田などよくある苗字の方で、相手が区別しにくいと思う場合や、親戚同士で同じ苗字が複数いる場合はフルネームで書く方がいいでしょう。
その場合は、世帯主である人のフルネームで書きます。
また、先方が大量にお歳暮をもらうような立場の方の場合は、混同されることを避けるため、フルネームで書きます。
たいていの場合は姓だけ書いておけばOKですが、地域によっては、フルネームで書くことが一般的な場所もありますので、一概には言えないというのが正直なところですし、ガチガチのルールがあるわけでもありません。
百貨店の担当者なども、上記のような状況に合わせて、「どちらがいいか」とい希望を聞いているだけであり、どちらも正解といえます。
迷ったら相手の立場に立って、どちらが親切か、を考えることになります。
姓のみでOK、だけど相手が誰のものか迷いそうならフルネーム。これが基本です。
お歳暮ののしに名前を夫婦で書くことはできる?夫婦連名での書き方は?
基本的に夫婦から贈る場合には、家族から贈るという意味から、熨斗(のし)には姓のみを書くことが一般的ですが、より丁寧に夫婦連名で書くこともできます。
蝶結びの熨斗(のし)紙の水引の上に「お歳暮」か「御歳暮」と書き、水引の下に表書きの字(お歳暮の字のこと)より少し小さめに名前を入れます。
夫婦連名で贈る場合は、右側に夫、左側に妻の名前を書きます。その場合、妻の苗字は省略し、名前だけを夫の隣に並べて書きます。
のしの名前を入れる場合には、一番右を目上の方、左に行くにしたがって目下の方となるように書くことになっています。
お歳暮ののしに名前を入れない方法でもいい?失礼にあたらない?
お歳暮を贈る場合には熨斗(のし)に名前を入れないこともあります。
まず、配送で名前を入れない場合ですが、宅急便の配送伝票に名前が付いているため、わざわざのしを付けなくても先方にもわかるという理由からです。
ただ、伝票を取ってしまえば、誰の贈り物かわからないという状態になってしまうため、のしの名前は書いておいた方が親切です。
特に先方がいくつもお歳暮をもらうような立場の方の場合は、他の人と混ざってしまう恐れもあるため、贈る方も書いていた方が安心でしょう。
次に、持参で名前を入れない場合ですが、これは直接渡すのだからわかるだろう、という理由からです。
ただ、この場合も、配送するときと同じで、先方がたくさんもらうような立場の方の場合は、書いておいた方がいいでしょう。
持参していても、渡すタイミングが他の人と同時になるということも考えられます。
このようなことから、お歳暮ののしに名前を入れないのは失礼にはあたりませんが、先方のことを考えると、書いておいた方が親切でしょう。
先ほどの、姓のみ書くか、フルネームで書くかの時と同じように、先方がわかるか、迷わないか、が判断基準となります。
おわりに
お歳暮の「内のし」「外のし」の使い分け方や名前の書き方についてご紹介しました。
最初は難しいと思われるかもしれませんが、一度覚えてしまえばとても簡単なルールです。
お歳暮はその年にお世話になった方に対して感謝の気持ちを伝えるものです。
先方の方にその気持ちが伝わるようなお歳暮を贈りましょう!