年越しには多くの人が食べる年越しそば。そばはほかの麺類よりも切れやすいため、「一年の災厄を断ち切る」という意味が込められた行事食です。

大晦日にスーパーに年越しそばを買いに行く人も多いと思いますが、「年越しそばって具は何を入れたらいいの?」「おせちのように、具に何か意味やいわれはあるの?」と思った経験もあるのではないでしょうか。

そこで今回は年越しそばの「具」について、いわれや地方の特色などをご紹介していきます。

年越しそばの具材は何を入れる?

年越しそばの具は、実を言うと「これを入れるべき」といった明確な決まりはありません。

一般的に温かいそばに添えられることの多い具材や、自分の好みで具材を決めてしまっても構いません。

もっというと、冷たいそばでもOK

特にこだわりは無いけど、年越しそばっぽく少し豪華な雰囲気を出したい!ということであれば、以下の具材がお手軽でおすすめです。

スーパーの年越しそばコーナーに行くと、そばと一緒に並べられていることも多いですので、すぐに見つかると思いますよ。

海老天

いちばん定番なのは海老天ですね。

普通のそばでも、大きな海老天が乗っているだけで贅沢な気分になれそうです。

かき揚げ、海老以外の天ぷら

海老天に次いで定番なのがかき揚げや海老以外の天ぷら。

お惣菜コーナーで自分好みの天ぷらを選んでそばを作るのも楽しいですよ。

かまぼこ

おせちの材料になるのがメインのかまぼこですが、それだけだと余りがちになります。

年越しそばに入れると雰囲気も出ますし、味もそばに合います。

カモ肉

冬に脂がのり美味しい鴨肉とネギを入れれば、鴨南蛮そばに早変わり。

普通の鶏肉でもおいしいですよ。

ニシン

関西や北海道では定番の具材です。

ニシンの甘露煮をのせて食べます。

青ネギとの相性がいいのでぜひ一緒に。

その他にも天かすや油揚げ、とろろや玉子など定番の具材もいいですね。

年越しそばの具には意味はある?縁起の良し悪しなどは?

年越しそば

年越しそばの具材のいわれは、そのままおせちの具材のいわれに通じるものがほとんどです。

代表的な具材のいわれをご紹介します。

海老

海老はその曲がった姿が「曲がった腰」を連想させて、長寿の象徴として縁起のいい食べ物だとされています。

たまご

黄身と白身が金銀にたとえられ、縁起物とされています。

二色を「にしき」とも読むことから「錦」と語呂合わせしているとも。

錦は高級な絹織物のことで、美しく立派なもの、という意味でも使われます。

ニシン

「二親」の語呂合わせで、子宝に恵まれますように、という願いが込められています。

かまぼこ

半円形のさまが日の出に見立てられる縁起物です。

赤は慶び、白は神聖を表しています。

昆布

「よろこぶ」との語呂合わせで縁起物とされています。

そばに使うならとろろ昆布がおいしいです。

ネギ

一年の苦労を「ねぎらう」という語呂合わせで縁起を担いでいます。

定番の具材の一つですね。

年越しそばの具は地方によって違う?どんなのがある?

年越しそばの具材は地方ごとの特色がみられるのも面白いところです。

特に特徴的なものをいくつかご紹介します。

岩手県 花巻・盛岡の「わんこそば」

わんこそば
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大食いのイメージのあるわんこそばですが、岩手県の花巻や盛岡では年越しそばとしても食べられています。

おわんが次々に重ねられていく様はとても面白いですが、豊富な薬味も特徴の一つ。

そば同様きれいな器に、ネギ・わさび・海苔・とろろ・大根おろし・そぼろ・漬物など多種多様な薬味をそろえ、一口大のそばと一緒にいただきます。

歳の数だけわんこそばを食べる地域もあるようです。

福井県の「越前そば」

越前そば

辛みの効いた大根おろしをメインに添え、ネギや鰹節を乗せ濃い目の鰹だしをかけていただくのが越前そば。

おつゆは冬でも冷たいものを使います。

大根おろしがメインなので「おろしそば」と呼ばれることも。

関東地方の「おかめそば」

おかめそば

(画像引用元:https://www.fleapedia.com/%E4%BA%94%E5%8D%81%E9%9F%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/%E3%81%8A/%E3%81%8A%E3%81%8B%E3%82%81%E8%95%8E%E9%BA%A6%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B/

おかめそばその名の通り、具材をおかめの顔のように並べたものです。

具材はさまざまなものが幅広く使われているようですが、湯葉を髪の毛に、松茸を鼻に、かまぼこを頬に、椎茸を口に見立てて並べるのが本来の盛り付け方です。

おかめはおたふく=お多福とも呼ばれますし、縁起物とされています。

京都、北海道の「にしんそば」

にしんそば

かけそばにニシンの甘露煮をトッピングするのはどちらも共通ですが、京都の出汁は関西風の薄味、北海道の出汁は関東風の濃い味になっています。

ネギも京都は青ネギ、北海道は白ネギと、同じような具材で地域色が出ているのも面白いところ。

京都では「冷やし」で食べることもあります。

香川県はこだわりを貫く「年越しうどん」

うどんが名物の香川県・讃岐地方では、年越しにそばではなくうどんを食べる家庭も多いです。

香川県らしい風習と思いきや、群馬県の水沢や秋田県の稲庭などうどんが名産の地域では同様に年越しにうどんを食べる家庭もあるのだそう。

その地域の名産であれば、一年の締めくくりとしてそばではなくうどんを食べるのもうなずけますね。

おわりに・まとめ

今回は年越しそばに入れる具材やそのいわれ、地域の特色ある年越しそばについてご紹介してきました。

年越しそばの具材には特別な決まりはありませんが、縁起のいい具材や地方の独特なそばに挑戦してみるのもおもしろいですね。

ぜひ一年の締めくくりを、年越しそばで楽しみながら迎えましょう。

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