年越しと言えば除夜の鐘。

毎年紅白歌合戦が終わるとテレビの「ゆく年くる年」でも放送されますよね。

でもその除夜の鐘の意味や由来はご存知でしょうか?

108回つくのは煩悩の数で・・・それしか知らないという方も多いのでは!?

年越し前に、覚えていると役立つこと間違いなしの除夜の鐘の意味や由来について、ご説明します。

除夜の鐘の意味・由来って?

除夜の鐘とは

除夜の鐘とは、12月31日の大晦日に、年を越しながらつく鐘のことを言います。

日付が変わり新年になる時を、108回鐘をつきながら迎えます。

除夜の鐘の由来は?

「除」という字は、取り除くなどでよく使われる通り、古いものを捨てて新しいものを迎えるという意味があります。

大晦日は、一年の最後の日であるため大晦日は「除」の日「除日」と言われています。

その「除日」の夜につく鐘なので、「除夜の鐘」と言われています。

除夜の鐘は、108回鐘をつきますが、この108回つく意味には諸説あります。

1つ目は、仏教において、人間には108つの煩悩があると言われており、その煩悩の数の108回鐘をつきながら新年を迎えることで、煩悩を祓うことが出来るというものです。

煩悩(ぼんのう)とは、欲望や悩み、怒りや苦しみなどの心の乱れのことを言います。

2つ目は、中国では古代より108という数字が大切にされてきたというものです。

一年(12ヵ月)、二十四節気、七十二候を全て足すと108になります。

七十二候とは、二十四節気の各節気を約5日ずつの3つに分けたものを言います。

3つ目は、四苦八苦が由来となっているという説です。

四苦=4×9=36 八苦=8×9=72 それらを足すと108になるので、108回つくという説です。

1つ目の説が一番有力と言われておりますが、その他の説も数字がぴったり合っていることから、偶然とはなかなか思えません。

除夜の鐘の意味は?

除夜の鐘を108回つくということが分かったところで、なぜ大晦日につくのでしょうか。

大晦日に鐘をつく理由にも諸説あります。

1つ目は、煩悩を取り除くために、通常であれば日頃から仏教の修行を積むことで煩悩を取り除くことが出来ると言われています。

煩悩を取り除くことで、苦しみや悩みから解放されて、人として理想的な状態になると考えられています。

しかしながら、日頃から修行を積んでいない我々にも、除夜の鐘には煩悩を祓う力があるという信仰があります。

その為、特別な日である除夜(大晦日の夜)に鐘をつく儀式として、現在も行われています。

2つ目は、鐘の音色に、お払いの効果があるという考え方です。

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通常、お寺の鐘は朝夕の時報につくことが多いですが、法要の開始時などにも用いられます。

鐘の音色そのものに、悩みや苦しみから解放される力が宿っていると考えられているため、大切な道具として大切な時に用いられます。

ちなみに、鐘の回りにある突起は、「乳(ち)」と呼ばれるもので、この乳の数も108つあります。

3つ目は、昔の先祖供養の名残として残っているという考え方です。

仏教では本来、お正月とお盆に先祖をお迎えして祀る儀式がありました。

お盆は今でもそのまま先祖を祀る日として定着しておりますが、お正月は年神様に、その年の豊作を祈る日として定着しました。

お正月に先祖を祀っていた時代には、法要の開始時に鐘をついており、それが今は除夜の鐘をつく形として残ったと考えられています。

108つの煩悩って?

108回鐘をつく理由は諸説ありましたが、有力と言われる煩悩の数っていったいどういうことでしょう。

108個も悩みや苦しみ、欲望などがあるのでしょうか?

そもそも全員同じ数ってどういうこと?と疑問に思われる方も多いのでは!?

それには、仏教における根拠がしっかりとあります。

その① 六根

人間が持つ悩みや苦しみなどの煩悩は、6つの感覚器官からもたらせられると考えられており、それを六根(ろっこん)と呼ばれています。

六根・・・眼(げん)耳(に)鼻(び)舌(ぜつ)身(しん)意(い)

その② 六根が六塵を生む

六根それぞれから感じ取る感覚です。

色(しき)、声(しょう)、香(こう)、味(み)、触(そく)、法(ほう)の6つが六塵と呼ばれます。映像、音、におい、味、感触、心の動きがそれにあたります。

その③ 3つの感覚

六境または六塵から感じ取った感覚は3種類の感情に分けられます。

好(こう)気持ちが良い、悪(あく)気持ちが悪い、平(へい)どちらでもない。

その④ 2つの判断

その③の3つの感覚はさらに2種類に分類されます。

清い、綺麗な感覚の浄(じょう)と汚い感覚の染(せん)です。

その⑤ 過去・現在・未来

浄、染に分類された感情は過去・現在・未来の3種類に分類されます。

これらの分類された感情の数が煩悩の数だと言われています。

六塵(6)×好・悪・平(3)×染・浄(2)×過去・現在・未来(3)=108 となります。

さいごに

今までは除夜の鐘について深く考えたことのない方も多いかもしれませんが、いざ深く知ってみると、長い歴史と想いが込められていることが分かります。

毎日の修行は難しいかもしれませんが、除夜の鐘が煩悩から解き放ってくれるというのは修行をしない身としてはありがたいですよね。

今年は除夜の鐘の音を聞きながら年を越してみてはいかがでしょうか。

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