蚊が嫌いな香りを出すハーブの鉢植えでガーデニングすれば、蚊が来なくなるという話をよく聞きますね。
実はあれ、効果がないという声が多いの知ってますか?実際はどうなのか?そして蚊よけ効果の高い庭やベランダは作れるのか?体験と情報を紹介しますね。

蚊よけになると言われているハーブ一覧

まず、蚊よけに良いといわれているハーブを挙げてみましょう。

レモンユーカリ

コアラが食べることで有名なユーカリ。
その中でもユーカリ・シリオドラ(レモンユーカリ)は、高い虫除け効果が期待できます。
主成分であるシトロネラールという香り成分が蚊対策になる。アロマオイルにすれば70%台と高い。

厚生労働省が推奨している虫よけ剤の成分は3つであり、その中で唯一天然成分で推奨されている。
(残りの二つはディート、ピカリジンという薬剤)の
レモンユーカリはアメリカ疾病対策センター(CDC)による科学的検証によっても有効性が証明され、
皮膚や衣服に使用することをアメリカ環境保護庁(EPA)により認可もされております。

参考:厚生労働省検疫所

 

レモングラス

イネ科のハーブの一種。稲のような細い葉の草でレモンのような香りがする。

蚊が嫌いな香りの成分シトラールが含まれる。
シトラールはレモングラスやその同属種から採れる精油の主成分である。メリッサ(レモンバーム)
バーベナ、レモンマートル、レモン、オレンジにも含まれる。

 

シトロネラ

レモングラスに似た、同じくイネ科の植物。
柑橘系の香り

アロマオイルにすると、
ゲラニオール( 15 ~ 25% )、シトロネロール( 5 ~ 15% )、のシトロネラール( 5 ~ 30% )
が含まれている。どの成分も虫除けに効果があるといわれている。

 

ローズゼラニウム(蚊連草)

ゼラニウムとシトロネラを交配して作ったハーブと言われている。

ミントのさわやかさとバラのような甘い香りが混ざったような芳香の草。
虫が嫌う香り成分としてはシトロネラールやゲラニオールが含まれる。

ただし、シトロネラ―ルの量はレモンユーカリに劣る。アロマオイルでの比較で10%程度。

葉の新芽が一番強烈に香りを放つ。

ちなみに普通のゼラニウムやセンテッドゼラニウムはまた別物。

 

ラベンダー

芳香剤でもよくつかわれているラベンダー。虫よけ効果もあるとされている。

小林製薬のパテントの概要を見たところ、ラベンダーは忌避作用があるというものの、効果が弱い。
だからラベンダーを水蒸気蒸留することで効果を高めたんだそう。

参考:https://patents.google.com/patent/JP2006104075A/ja

ちなみに蚊よけに効果があるのは花ではなく葉っぱ。

 

ペパーミント

シソ科のハーブ、清涼感のある香りで眠気覚ましになることで有名。
ミント特有の強い香りを蚊が嫌がる。

 

シラントロ(パクチー)

アジア料理でおなじみ、通称カメムシの味のするハーブ。
独特の強烈な味と香り。
タイやベトナムの人々は「パクチーを大量に食べ、身体からかすかにパクチーの香りを放つことで
蚊よけ対策をしているそうな。

 

バジル

バジルにも、蚊がきらう成分シネオールが虫除けになると言われている。

 

番外編~除虫菊~シロバナムシヨケギクは?

除虫菊は、蚊取り線香の原料となっている植物ですね。
白いかわいい花が咲きます。
除虫菊の成分は、「殺虫成分」です。有効成分は「ピレトリン」
ちなみに合成された同じ成分はピレスロイド。防虫剤で聞いたことがある名前。

これまでのハーブは「忌避成分」つまり、蚊が嫌がらせて寄せ付けないだけなのに対して、明らかに殺傷能力があるんですね。
しかし、除虫菊は栽培しているだけでは蚊を殺すことも寄せ付けないこともできません。
燃やして有効成分を揮発させて、蚊の体に取り込ませないとダメなんですね。

 

蚊よけによいハーブ選び。基準はシトロネラ―ル

上記の中で明確に良いという根拠があるのは、ダントツにレモンユーカリとなります。
そして、シトロネラ、ローズゼラニウム

蚊が嫌がる香りもさながら、蚊を避ける効果が高い成分「シトロネラ―ル」を多く含むものが効果的ということですね。

シトロネラ―ルは蚊の二酸化炭素感知能力を麻痺させるといわれております。

先に挙げたバジルやミントラベンダーに加え、
他にもティーツリーがいいとかカモミールがいいとか、ハーブではないけれどニンニクも蚊よけの効果があります。
蚊が嫌いな香りが強いと蚊が寄り付きにくいとは言われております。

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ただ、肝心の「シトロネラ―ル」はあまり含まれていないんですよね。

ということでシトロネラ―ル基準で選べばよろしいかと。

 

蚊よけハーブは植えても効果がない?

蚊よけのハーブから発せられる強い香りの成分は、蚊に対して忌避効果があるとされています。

ただ、その忌避効果が、完全に蚊を寄せ付けないレベルの濃い香りを発しているかというとそうではないといいます。

蚊よけの効果は、植物の成分を抽出したアロマオイルや熱湯につけて成分を抽出して使った場合に、忌避効果を発揮するものなのですね。
しかも、ある程度の濃度があって効果を発揮するんですよね。

植えている植物の場合ですが、そのまま香りをかいでもさほどでもありませんが、葉っぱをちぎって手ですりつぶして汁の香りをかぐと
かなり強く香りを感じますよね。

ハーブをちぎって肌や衣類にたっぷりつけて香りを強くすると。
ただし、皮膚炎やアレルギーには要注意。レモングラスなどは特に皮膚刺激が強いといわれております。

そこまでやったとしても、蚊は寄ってきます。

蚊は、
・人間の体温
・汗の乳酸(におい)
・呼吸で発する二酸化炭素

を感知して寄ってきます。

これらがハーブよりも強ければ蚊はやってきてしまいます。

蚊取り線香や殺虫剤のように蚊の息の根を止めるものではなく、あくまで蚊を嫌がらせかく乱させてるだけなんですね。

 

蚊よけの花や植木の効果を発揮させるには?

もちろん植えている草でも蚊の忌避効果はゼロではありません。

それをわかった上で、庭やベランダに植えているハーブで蚊よけ効果を最大にするにはどうしたらいいのでしょう?

一つの方法として、ハーブの香りを最大限に引き出す栽培をするというアプローチがあります。

・水分、養分、日光をたっぷりと与えられて、元気に香りを発散させる。

・こぼれ種からの生育をさける

まず草花が弱っている場合は、香りの発散も鈍く、蚊の忌避効果も薄れてしまいます。

こぼれ種とは、自然に種ができて落ちて生えてくること。
生育力が強いハーブは、自然にできた種が同じ土壌に落下し、勝手にどんどん増えるのですが・・・品質が劣化していきます。
なので、芳香が落ちて蚊よけ効果も落ちている可能性があるのです。

例えばミントはこぼれ種での香の劣化がわかりやすい。
香りを楽しみたいハーブティー用のミントは、こぼれ種や交配は避けるように育てられています。

蚊よけにするなら、まずしっかりした種を買い、それぞれのハーブに適した環境で植えてあげる。
蚊よけの時期が過ぎたら、また新しい種や苗で植えていく。

そうすると、蚊よけ効果も最大限に発揮されるはずです。

ガーデニングのハーブに強力な蚊よけ効果を期待すべきではないのですが・・・他の蚊よけ対策と併用すればよいかと。

それに、庭やベランダにハーブを植えたい人というのは、蚊よけだけが目的ではないはずです。

ガーデニングを楽しみたい、という気持ちもあると思います。

草木を育てる楽しみがあれば、取り組む価値はあるのではないでしょうか。

その際に、蚊よけ以上に、プランタンや植木鉢の水受け皿などに、水が溜まって、蚊のボウフラが沸かないように注意することのほうが蚊よけには大事ですよね。

そして、できたハーブは香りを楽しむポプリにしたり、手作りで蚊よけスプレーを作ったり、お料理に使ってあげればいいのではないでしょうか。

 

おわりに・まとめ

・蚊よけハーブは庭に植えても満足に蚊よけにならない
・蚊よけ成分は濃度が大事。アロマオイルや熱湯抽出したものが有効
・蚊よけハーブは良い環境で元気に育ててこそ香りも強くなる。

鉢植えやガーデニングでの蚊よけは過剰に期待せずに楽しめばよろしいのではと思います。

うちの母親が蚊よけのためにゼラニウムをたくさん植えていましたが、夏に蚊が減ることはありませんでした。
しっかりベランダからヤブ蚊が入ってきましたね。
そばにミントやシソを植えていましたが、蚊が庭から消えることはなかったです。

失敗の原因は一つには、ローズゼラニウムじゃなくて普通のゼラニウムを植えていたこと(笑)
二つ目は、ミントも手入れせずに生えっぱなしにしていたこと。香りが薄かったこと。

でも、庭に草木があるのが好きだから、蚊が出てブツクサ言いながらも虫よけスプレーを使いながら楽しんで世話しているようです。

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