年末の大掃除大変ですよね。「すす払い」ともいいますが、本来の意味をご存知ですか?

「え、大掃除でしょ。違いがあるの?」

と思ったあなた。それが違うのです。

今回は、すす払いの由来や意味、大掃除との違いについてまとめました。

「すす払い」は、単純に大掃除という意味ではありません。

「すす払い」の意味がわかれば、あなたも年末の大掃除に精が出ること間違いなしですよ!

すす払いとは?どういう意味?

すす払いは、年末に天井や壁にたまった埃を叩いて掃除をすることです。

現代では一般的に、年末の大掃除という意味で使われています。

しかし、本来は単純な大掃除という意味ではありませんでした。

それでは一体何だったのかというと、、、

ズバリ、宗教的な儀式でした。

お正月を迎えるにあたって神聖なお清めをする、大事な儀式だったのです。

お正月には歳神様という神様を祀ります。

この神様を迎え入れるために、すす払いをしてお清めするのです。

歳神様とは歳徳神ともいい、新年の豊作を祈る神様のこと。

人々にとって、とても大切な神様ですした。

正月の準備作業という意味では、今とは変わりません。

しかし、より宗教的な意味合いが強かったんですね。

すす払いの時期

すす払いの時期はいつなのでしょうか。

今ではざっくりと、「年末」と認識している方が多いと思います。

伝統的には12月13日がすす払いの日です。

12月13日は正月の準備を始める日でもあり、すす払いのことを「正月事始め」ともいいます。

江戸城が12月13日にすす払いをしていたことから、庶民にも広まり定着しました。

すす払いの道具

すす払いで使う道具を紹介します。

よくあるのは笹竹の先に葉や藁をつけたもの。

また、篠竹のほうきや小さな棕櫚(しゅろ)の箒もよく使われます。

棕櫚の箒は毛がとても柔らかいので、フローリングに使うのにも向いています。

おすすめですよ。

出雲大社では、竹に笹や和紙をつけた特製のはたきを使って、すす払いをしているそうです。

現代でも残るすす払い

今でも神社やお寺では、毎年の恒例行事としてすす払いをしています。

例えば、出雲大社は12月20日明治神宮は12月28日の日程で毎年やっています。

報道もされるので、その映像を見たことがある人もいるかもしれませんね。

また、東大寺の大仏は8月7日にすす払いをしています。

大仏のすす払いのことを、お身拭い(おみぬぐい)とも言います。

なぜ奈良の大仏は8月7日なのでしょうか。

年末ではないですよね。

一説によると、大仏様は金属でできているので、年末だとかなり冷たくなります。

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そのため直接触れることが難しく、 皮膚がくっつくこともあって危険だからなのです。。

すす払いの由来は?

すす払いは江戸時代に庶民に広まりました。

しかし、平安時代にはすでに始まっていた風習です。

すす払いはそもそも陰陽五行の影響があったと考えられます。

陰陽五行説

陰陽五行説とは世の中は全て陰と陽の二気からなるという陰陽思想と全ては木・火・土・金・水からなるという五行説が組み合わさったもの。

中国から伝来したこの考え方が占術や天文学、神道、道教、仏教と組み合わさって日本独自に発展しました。

すす払いと陰陽五行説

平安時代は、この陰陽五行説が宮廷社会から一般社会に広まった時代です。

有名な陰陽師、安倍晴明が活躍したのも平安時代ですね。

すす払いをする12月13日は、暦上「冬の土用」にあたります。

有名な「土用丑の日」は夏の土用ですよ。

陰陽五行説で土の気は、「万物の終わりと始まりの間」つまり「真中」と言われます 。

そのため旧年を去らせ、新年を迎えるために掃除をするという習慣が始まったのです。

これがすす払いの発祥です。

すす払いと付喪神

また、すす払いの時に、古い道具を捨てるという習慣がありました。

100年を超える古道具には、 霊魂や神様が取り付くと考えられていました。

これを付喪神と言います。

付喪神がついた道具は、人間に悪さをすると信じられていたので、すす払いの時に古い道具を捨てるという習慣ができたのです。

確かに古い道具には、何かすごい存在感があるものがありますよね。

すす払いは何をする?大掃除とは違うの?

すす払いは単なる大掃除ではなく、神聖なお清めの儀式です。

神棚と家屋お清めて、正月の準備をする作業になります。

すす払いの手順

 

1.まずは神棚を掃除しましょう 。

2.その後に家の他の部屋を掃除します。

3.すす払いが終わったら、入浴して体を清めます。

4.そして神棚にお供え物をしましょう。

5.お供え物を家族みんなでいただきます。

 

以上のような手順になります。

現代だとなかなかここまでやる家庭は少ないでしょう。

しかし、新年を気持ちよく迎えるためにはいいかもしれませんね。

また、 すす払いで使った道具は呪力があると言われています。

正月が終わった後に、お焚き上げをする地域もあるようです。

門松やしめ縄と一緒にどんど焼きにするのもいいですね。

おわりに・まとめ

すす払いは単なる大掃除ではなく、お正月へ向けて準備する神聖なお清めの儀式です。

あなたもすす払いをして、新年を気持ちよく迎えましょう。

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