「すいません」と「すみません」の違いは実はこんなところに!
何気なく使っているすいませんとすみませんの用法と分別を付けられるように、日本語としてどちらが正しいのか、ビジネスの場面ではどう使えばいいのかを解説します。

すいませんとすみませんの違いは?

結論から言いますと、「すみません」と「すいません」の言葉の上での意味の違いはありません。

どちらも、相手にお詫びやお願い、感謝の意味を表したり、声掛けの際の言葉として使われています。

 

すみませんの由来

すみませんは、漢字で書くと、「済みません」です。

元々の語源は「気が済みません」です。

「気が済みません」とは、(このまま放っておくのは)気が収まりません、という意味です。

また、「気が澄みません」という漢字の表記もあります。心が晴れない、澄んでいないとなり、よどみがある状態を表しています。

すっきりしないってことですね。

分解すると、

・動詞「すむ(済む)」の連用形+丁寧の助動詞「ます」の未然形+打ち消しの助動詞「ぬ(ん)」の終止形

となります。

「すまない」の丁寧語です。

より丁寧にいう場合は「あいすみません」ともなります。

 

 

すいませんの由来

「すいません」は、「すみません」がなまったもので、話し言葉に特有の形です。

「済みません」の俗な言い方、砕けた言い方ともいえます。

話し言葉では、言いやすく言葉が変わることがあります。

「すみません」は,発音するときに「み(mi)」と「ま(ma)」とで唇を閉じる動きが2回重なります。

これを発音しやすいように「み(mi)」の「m」音を落としているのが「すいません」という形です。

このような変化を「音便」といいます。

他の例でいえば、水族館を「すいぞっかん」と言ったり、洗濯機を「せんたっき」と言ったりしますよね。

これと同じ現象です。

 

すいません すみません 正しい日本語はどっち?

これまでの言葉の変化の経緯からもわかるように、

元をたどれば「すみません」が正しいです。

 

NHKの放送局などには、テロップが「すいません」だったり、アナウンサーが「すいません」と発言した際に、視聴者から「すみません」にするよう指摘が入ることがあるそうです。

ですが、例えば10~20 代ぐらいの若い世代の方であれば、「すいません」ということばが『済みません』→『すみません』→『すいません』とくずれてきた、とは意識していないことがほとんどです。

言葉は崩れたり変化したりするものですし、その経緯を知っているか知らないか、年代によって違和感を感じる度合いが異なります。

世代によって言葉の受け取り方も変わることを知っておきましょう。

 

すいません、すみませんの用法

では、すいません、すみませんの言葉の使い方を紐解いていきましょう。

すみませんには、4つの使い方と意味があります。

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「すみません」を使うシチュエーションと、「すみません」「すいません」よりビジネスマナー的に適した言葉も一緒にご紹介します。

 

すみません 謝るとき

「ごめんなさい」や「申し訳ありません」の代わりに使われます。

「ごめん」「ごめんなさい」は、よく知っている間柄、仲が良い間柄でで使うことが多いです。

「申し訳ありません」は、ビジネスで使われます。目上の人にも使用されます。
最も丁寧な謝罪表現です。

一方、「すみません」は、使える状況が幅広く、便利な表現であるといえますが、正式な謝罪の言葉として使うのは不適切です。

 

すみません お礼をいうとき

「ありがとう(ございます)」という代わりに使う。

本来は「ありがとう」とストレートに言えばいいのですが、日本人は相手に対して、
自分のために何かをしてくれた際に、申し訳ないという気持ちを持つことが多いのです。

結果、「すみません」という言葉を発します。

 

すみません 人に呼びかけるとき

レストランや居酒屋さんで店員を呼ぶときや、道で知らない人に話しかけるときなどに「すみません」といいますね。

呼びかけの言葉として使われます。

 

すみません 依頼するとき

人に何かを依頼するときの前置きの言葉として使います。

「恐れ入りますが…」「お手数をおかけしますが…」が同じ意味で使われますが、すみませんのほうが砕けた言い方です。
目上の人に対しては、「すみません」を使うのはよくありません。

 

すいません すみません メールではどちらを使う?

メールをするときにどっちを使うか迷った場合は、「すみません」を使用します。

ですが、「すみません」自体が砕けた表現ですので、ビジネスメールでは使用しないほうが無難です。

文章を仕事にしている方に対してや、世代が上の人に対しては特に避けたほうがいいでしょう。

 

すいません すみませんはビジネスではどう使う?

ビジネスの場面、特に上司や目上の人、取引先や顧客に対しては、「すみません」という言葉自体を避けましょう。

謝罪なら 申し訳ありません。
お礼なら ありがとうございます
依頼なら  恐れ入りますが

が、適切な表現です。

仲良くなれば気にしなくてよくなるかもしれませんが、初対面やあらたまった場では正しい言葉を使いましょう。
印象が良くなること請け合いです。

 

おわりに・まとめ

・「すいません」と「すみません」の意味の違いはない
・「すみません」が正しい日本語。「済みません」「澄みません」からきている。
・謝罪、お礼、呼びかけ、依頼に使える言葉。
・ビジネスやメールでは砕けた言い方なので使わない

ちょっとした違いですが、ビジネスの場面では気にする目上の人も多いです。
言葉の用法に気を付けていきたいですね。

参照:

大辞泉
岩波国語辞典
日本国語大辞典 (第 2 版)

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