十五夜と十三夜をご存知ですか?夏も過ぎ、涼しい季節になると虫の声とともにやってくるのがお月見です。
大人になってからはあまりする機会がなかった人も、子供ができたのをきっかけにして今年はお月見をしてみようかと思っている人もいるでしょう。
でもお月見って十五夜にするとは聞きますが、正確には何月何日なんでしょうか?
またお月見には十五夜だけでなく十三夜というのもあります。違いは何なのでしょう?
そうなると十三夜の日や、お供え物が十五夜と違うのかも確認しておきたいところですよね。
今回は十五夜と十三夜の2018年から3年間の日や十五夜の意味と由来、お供え物についてまとめてみました。
これを読んで楽しい十五夜を過ごしてくださいね。
2018から3年間の十五夜と十三夜、満月の日は?
お月見をする十五夜は旧暦の8月15日、十三夜は旧暦の9月13日です。
一般的に十五夜の月は満月とされていますが、実際に完全な満月の日は太陰暦の15日とは1~2日のずれがあり、2018年は9月25日が満月です。
2018年から2020年までの3年間の十五夜と満月、十三夜の日は以下の通りです。
年 | 十五夜 | 満月 | 十三夜 |
2018年 | 9月24日 | 9月25日 | 10月21日 |
2019年 | 9月13日 | 9月14日 | 10月11日 |
2020年 | 10月1日 | 10月2日 | 10月29日 |
太陰暦は太陽暦から1年に11日ずれ、3年に1度閏月があるので太陽暦に直すと最大1カ月の幅があります。
十五夜の意味と由来
十五夜は、一般的にはお月見をする旧暦の8月15日の夜を指します。
十五夜の月は中秋の名月や初名月、芋名月と呼び、十三夜の月は後の月や栗名月、豆名月とも呼びます。
昔の日本では月の満ち欠けで季節の移り変わりを図る太陰暦をつかっていました。
この太陰暦は月が新月から満月になり、また新月に戻るまでを一月としています。
新月を朔(さく)、満月を望(ぼう)と呼び、望になる日が毎月15日の夜、十五夜です。
ちなみに前後の日の夜にも呼び名があり、14日の夜は待宵(まつよい)、16日の夜は十六夜(いざよい)と呼びます。
8月15日の夜を中秋の名月と呼ぶ理由は、昔は12カ月を3カ月刻みにして季節を分けていて、7月から9月が秋となっていました。
その秋の内7月を初秋、8月を中秋、9月を晩秋とそれぞれ呼びます。
加えてこの時期は空気が澄み月が特に美しく見えることから、8月の十五夜を中秋の名月と呼ぶようになりました。
他の季節も同様に呼び、春の場合は1月は初春、2月は中春、3月は晩春となります。
日本で中秋の十五夜に月見をするようになったのは平安時代のことで、中国で行われていた望月という中秋の満月を見る風習を遣唐使が伝えたのがきっかけです。
長らく月見は貴族が楽しむ行事でしたが、江戸時代になると庶民にも広まります。
そして収穫に感謝してお供えをするようになり、現在のようにすすきや月見団子などのお供えをして月見を楽しみむようになりました。
ちなみに満月になる十五夜は見た目にもわかりやすいことから、8月15日以外にも日本の生活の節目の日になっています。
1月15日は小正月(こしょうがつ)、2月15日は祈念祭(きねんさい)、3月15日は梅若事(うめわかごと)、4月15日は春の例大祭などなど、ほぼ毎月満月の15日にお祝いやお祭りが行われます。
十五夜のウサギについて
十五夜と言えば歌で皆が知っているウサギです。
月のクレーターの形がウサギに見えることからそういわれていますが、これにも由来があります。
元々はインドのジャータカ神話という言い伝えが日本に入ってきたもので、今昔物語集にもこの物語が記載されています。
その内容は以下のようなものです。
むかしむかし、ある山の中でサルとキツネとウサギが倒れているおじいさんを見つけました。
三匹はおじいさんを助けるため、サルは木の実を、キツネは川魚を取ってきました。
しかしウサギは何も取ってくることができません。
それでもおじいさんを助けたいと考えたウサギは、サルとキツネにたき火を焚いてもらいました。
そしてその中に身を投げて、自らをおじいさんの食料にしようとしたのです。
それを見たおじいさんは、本当の姿である帝釈天へと姿を変えます。
帝釈天は三匹の心がけを誉め、次に生まれ変わった時は人間にすることを約束します。
そして自らを犠牲にしたウサギは特に感心だったので、その姿を月の中に残すこととしたのです。
こうして月にはウサギの姿が残ったとさ。
月のウサギは自己犠牲の美しさを説いたお話が元だったんですね。
あと一つ、月のウサギは餅つきをしているという言い伝えもありますよね。
これは中国で月のうさぎは不老不死の薬を作っているという言い伝えがあり、それが日本に入ってきたものだそうです。
満月を意味する望月(ぼうげつ)の訓読みである「もちづき」から「もちつき」になったと言われています。
ダジャレみたいですが、日本人は昔からこういった言葉遊びが好きだったんですね。
十五夜のお供え物について
十五夜のお供え物は、その年の収穫を感謝する意味から秋にとれるものをお供えしています。
代表的なものは月見団子で、十五夜の時は日の数と同じ15個または5個、もしくは一年に満月が来る回数の12個または13個お供えするのがならわしです。
月見団子以外にも、サトイモや大根、ぶどうや柿といった秋に収穫できるものはお供えになります。
特にサトイモはよく使われるお供えで、十五夜の別名である芋名月の名前は月見の時にサトイモをお供えし、食べる習慣から来ています。
お供え物と一緒に飾るすすきは秋の七草の一つに数えられ、その姿が稲穂に似ていることからこの時期に取れるお米の代わりにしたと言われています。
またすすきは茎の中の空洞が神様を呼ぶのに適しているとされ、葉のふちにあるとげが鋭いことから魔除けの力があると信じられるなど、神事に向いた草としてもお月見に添えられています。
すすき以外の秋の七草である萩(はぎ)、桔梗(ききょう)、撫子(なでしこ)、葛(くず)、藤袴(ふじばかま)、女郎花(おみなえし)もよく一緒に飾られます。
すすきだけだとちょっと寂しい、という人はこれらの花を一緒に飾ってみてはいかがでしょうか。
十三夜の場合は十五夜と同じく月見団子をお供えしますが、「栗名月」「豆名月」と呼ばれることから、栗や枝豆もお供えされます。
十三夜の月見団子は十五夜と同じく13個もしくは3個、12個または13個のいずれかの数をお供えします。
それ以外では十五夜と同じく秋に収穫できる野菜や果物がお供えになります。
おわりに・まとめ
十五夜と十三夜はそれぞれ旧暦の8月15日と9月13日で、今の暦では毎年9月から10月になります。
十五夜の由来は中国から来ていて、江戸時代に今のような形になりました。
月のウサギはインドや中国の神話が元ですが、餅つきをしているのは日本だけです。
お供えは月見団子をはじめ秋の収穫物の野菜や果物で、お供えした後はそれを食べます。
美しい月とともにおいしい秋の味覚を感じて、楽しい十五夜を過ごしてくださいね。
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