10月16日放送の『この差って何ですか?』では「そば」の差を紹介。そばは普通に食べても栄養価がありますが、食べ合わせで健康効果を倍増させることができるようですね!そして美味しいお蕎麦の食べ方についても紹介がありました。内容をシェアします。

この差ってなんですか?10月16日放送

2018年10月16日(火)19:00~

【レギュラー】
土田晃之
上地雄輔

【パネラーゲスト】
石野真子
長谷川純
渡辺満里奈

【専門家ゲスト】
池田清和(神戸学院大学栄養学部名誉教授)
神永曉(日本国語大辞典 元編集長)
斗鬼正一(江戸川大学 社会学部 教授)
持田拓也(更科堀井)

「もりそば」と「ざるそば」の差

見た目はほぼ同じだけなのに、呼び方がちがう「もりそば」と「ざるそば」。

上にもみのりが乗っているかどうかだけの違い?何が違うのと思いますが・・・。

都内のそば屋に聞いても、ざるそばに海苔を乗せている違いだけ。

平均ざるそばのほうが92円高いという値段の差はありました。

では、なぜもりそばに海苔を乗せるとざるそばになるのでしょう。

この2つのそばの誕生には意外な歴史があるそうです。

もりそばの歴史

そもそもそばが食べられるようになったのは、室町時代。その時は「そばがき」として食べていました。

室町後期になると、麺になり、「そばきり」と言われるようになりました。

江戸時代に成ると小麦粉をつなぎに使い、ニ八ソバができました。

木の器に盛り付けるようになり、もりそばができました。

ざるそばの歴史

現在の深川に、伊勢屋というそば屋がありました。お椀にもられていたソバですが、底に水が貯まるので最後は水っぽくておいしくなくなります。

そこで、店主がザルで出すようになりました。

ザルに盛ることから「ざるそば」に。

明治時代になると、どこのそば屋も同じざるそばになってしまうので、高級感を出して差別化を使用というそば屋が出てきました。

当時は海苔は高価なものだったんです。

ざるそばは海苔の香りと物珍しさで大人気になりました。

どちらも同じせいろに乗せられるようになった理由は?

江戸時代末期にはそば粉の値段が上がり、そば屋の経営が苦しくなってきました。そばの値段を上げずに量を減らすことを考え、同じ量に見えるように「底上げ」するためにせいろに乗せられるようになったのです。

ひぇえ、底上げとは!

「そばは出前」と「ピザは宅配」の差

できたての料理を家まで届けてくれるのは同じなのに、この呼び方の差は何なのでしょうか。

どちらもできたての料理を家に持ってきてもらう同じサービスですが、本来は明確な違いがありました。

出前とは

江戸時代中期に生まれた言葉。出前という言葉はそば屋から生まれました。

遊郭吉原で働いていた遊女は外へソバを食べに行くことができません。そこで使用人を通じてお店にソバを届けてもらうように依頼したことから、出前という言葉が生まれました。

出=お店から作った料理が出る

前=一人前、二人前の「前」

後にそば屋以外のお店にも広まりました。

店内で食べるのがメインで、サービスで配達をするのが「出前」です。

宅配とは

できたての料理を配達することに「宅配」を使い始めたのはピザ屋さん。

アメリカのデリバリーピザを日本に持ち込みました。配達専門店です。

出前はあくまで店内で料理を提供するのがメインですが、デリバリーは配達専門という新しいスタイルだったので、出前と差別化するために、あえて「宅配」を使いました。

そばの付け合せで健康効果が2倍〜3倍の差

そばは、高血圧、動脈硬化、心臓病など様々な病気を予防できる食べ物であり、食物繊維も豊富でダイエットにも適しています。

長野県では、男性の平均寿命が全国第二位、女性の平均寿命が全国第一位という長寿県ですが、その理由のひとつが「そば」をよく食べることだと言われています。

お蕎麦の「ルチン」という成分はポリフェノールの一種で抗酸化作用をもっています。かつてはビタミンPと呼ばれていました。

毛細血管の強化や動脈硬化の予防、脳卒中の予防血圧降下の作用があるという研究結果があるんです。

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また、「LPS」(リポポリサッカライド)という成分が含まれており、免疫力アップの効果が期待できます。

LPSは全粒粉そば(十割蕎麦)にたくさん含まれています。

人の体の中には、マクロファージという身体のいたるところに存在する免疫細胞があり、身体の中に入ってきたウイルスや有害な物質を見つけ、取り囲んで食べてくれます。

マクロファージはストレスに弱く、ストレスを受けると動けなくなり、免疫が下がります。

LPSはこのマクロファージを活性化させる作用があります。

こうしたそばの効果は、付け合せで食べるものによって、アップさせることができるそうです!

「山芋・わかめ・ネギ・海苔・なめこ・大根おろし・生卵・油揚げ」の8種類の中から、免疫力アップや便秘解消、高血圧予防に効果的な食べ合わせを紹介していきます。

高血圧予防には?

高血圧予防には、そばのルチンという成分が効果的。

大根おろしと一緒に食べると、ビタミンCがルチンを活性化。血流がよりスムーズになります。

大根はすりおろすとビタミンCがどんどん減っていくので、直前に大根を下ろすようにしましょう。

黒いそばと白いそばの健康効果の差

色の違いはそばの実によるもの。

黒いソバはそばの実の皮の部分が入っているから。白いソバはそばの実の中だけです。

黒いソバのほうがルチンの成分が多いです。

免疫力アップには?

LPSが免疫力を高めてくれます。その効果を高めるためには、

なめこ を一緒に食べるとイイです。

なめこのβグルカンが、LPSと一緒になり免疫細胞を強化。2倍以上になると言われています。

しめじやマイタケにも含まれるので、きのこそばもおすすめです。

便秘解消には?

食物繊維がたっぷりのソバ。ご飯やうどんの2倍以上の量が含まれます。

ソバの食物繊維は不溶性食物繊維です。水分を含み、便のカサを増やして腸を刺激し、便通を改善します。

一緒に食べるとよいのは、わかめです。

わかめの食物繊維は、水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維は便を柔らかくする効果を持っています。

不溶性と水溶性、両方の食物繊維を食べると効果的なのです。

美味しいそばの作り方の差 乾麺の調理ポイント

家ではそばの「乾麺」を食べることが多いですよね。

おいしく調理するポイントがあるそうです。

創業230年の老舗そば屋さんの「更科堀井」から、蕎麦職人さんを呼んで、そば屋さんのおそばを家庭で作れるようにアドバイスを貰います。

ひと手間加えるだけで、美味しさワンランクアップ!

乾麺の選び方

そばのおいしさには香りが重要。原材料名を見て決めます。

原材料名は左から順に多いものから記載します。一番左にそば粉が書かれているものを選ぶと香りが高いお蕎麦を選べます。

そばのゆで方

乾麺をゆでる前に、10分間水に浸すとおいしく茹でられます。

市販の乾麺は保存のためにかなり乾かされています。

一度見ずに浸すことで、ゆでムラがなく均一な固さになります。水に浸した分、ゆで時間は指定より1分短く茹でます。

そばをゆでる時は、鍋をコンロの火から少しずらして置きます。ずらすことでお湯に一方向に対流が起こり、麺同士がぶつからず食感よく仕上ります。

そばの洗い方

そばをざるに開けたら、まず氷水で急激に冷やします。食べた時の食感やのど越しが良くなります。

洗った麺はざるに開けたら、化粧水に浸します。きれいな水で洗って、わずかなぬめりをとるのです。

つゆの作り方

さらにおいしくするため、顆粒の和風だし大さじ二分の一を少量のお湯で溶いたのち水を加えて200ccの出汁を作ります。

このだし汁で濃縮めんつゆを割ると、おいしいめんつゆができます。

まとめ

何気なく食べているそば。食べ合わせで変わったり、意外と気にしない小さな差があったりして興味深いですね。

プロの一手間は真似して、美味しいお蕎麦を家で再現してみたいとおもいます。

年末のお蕎麦がおいしくできそう!

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