マインドフルネス瞑想の効果って何でしょう。効果がないという噂の真相は?どのくらいの期間で効果が出るのか?など。

最近話題であるものの、意外と知られていない部分をまとめてみました。

私もマインドフルネス教室に通っていますが、様々な効果を感じつつあります。あなたもチェックしてみてください。

マインドフルネスとは?その効果とは?

テレビでも取り上げられ、スティーブジョブズが実践したり、Googleでの企業研修に取り入れられたことで有名になったマインドフルネス。どんな効果があるのか気になりますよね。

そもそもマインドフルネスとは

もともとは仏教・禅の考え方から宗教性を除いて実践されてきたものです。

マインドフルネスの権威と言われるジョン・カバット・ジン氏はこう定義しています。

Mindfulness is the awareness that arises through paying attention on purpose, in the present moment, non-judgmentally to the unfolding of experience moment by moment.

「今という瞬間、瞬間への、一切の評価、判断を挟まない、気づきの状態(アウェアネス)」

人や自分の判断・善悪など、主観的な状態ではなく、全てを客観的にとらえて受け入れることになります。

言い方を変えれば、自分を、常にモニタリングできている状態であると言えばいいでしょう。

 

マインドフルネス瞑想とは

瞑想はマインドフルネスな状態になる手段のひとつです。

実は、瞑想そのものはマインドフルネスではありません。

マインドフルネスは「今という瞬間、瞬間への、一切の評価、判断を挟まない、気づきの状態」 なんで、この状態を達成できれば手段はなんでもいいのです。

(例えば、認知行動療法のでは、レーズンなどを使って食べている瞬間に意識を向ける、「マインドフル・イーティング」から入っていくことが多いです。)

マインドフルネス瞑想は、瞑想を行う中で、自分の頭の中の考えを、一切評価することなく、モニタリングしていく方法になります。

インド古来の瞑想、ヴィパッサナー瞑想と同じものになります。

ヴィパッサナーとは「ものごとをありのままに見る」という意味です。身体、感覚、心、そのほかの現象全てに気付きを向けます。その気付きを連続させていくやり方になります。

ヴィパッサナー瞑想は悟りを得るための修行法ですが、マインドフルネスはそこから宗教性を取り除いたものと言えます。方法は同じですが、目指すところが違うととらえてもいいでしょうね。

 

マインドフルネス瞑想のやり方の基本

楽に座って、呼吸を行い、呼吸に意識を向けます。

人間の脳は、モンキーマインドと言って、いろんな考えがせわしなく駆け巡っています。

これらの考えを、止めようともせず、ただ、「考えがあるなぁ」とモニタリングしていくのがマインドフルネス瞑想です。
この時に、頭の中の考えを止めよう、消そうとする必要はありません。出てくるものとして認めておきます。

人が不安や苦しみを感じているのは、たいていは過去のことや未来のことです。今現在のことではありません。

あの時こうすればよかった、昔ひどい目に合ったからまた同じかも(過去)
失敗したらどうしよう、もし何か起きたら・・・(未来)

 

こうした考えが頭の中を占めている状態をモニタリングし、現在の感覚に意識を向けることで、脳内の無駄な思考が減ります。

すると、頭が疲れにくくなり、思考の柔軟性が出ます。

次第に、別の角度から物事をとらえられるようになったり、いきなり感情的にならずに一呼吸おけるようになってきます。

 

マインドフルネスで得られる効果

マインドフルネスは「方法」ではなく「物事に意識的に向き合いましょう」という考え方です。

マインドフルネスでの具体的な効果と言われるものを挙げてみます。

・集中力を高める効果

・不安やストレスの軽減効果

・何を言われても平然としていられる余裕が生まれる

・人間関係のストレスを軽減する効果

・睡眠の質改善やダイエットにも効果がある

・仕事の効率化

・新しいアイデアが湧きやすくなる

・認知症の予防

これらは、各機関で研究が進み、エビデンスが出てきています。
また、2017年現在では、マインドフルネスで効果が上がらないのでは?という逆の研究、検証もなされてきています。結果が出たエビデンスと結果が出ないエビデンスがそろえば、より活用の精度が上がっていいですね。

一応、今のところ出ている効果の裏付けとしては、

MRI(磁気共鳴画像診断装置)を使った研究で、マインドフルネスを続けた人は、左海馬や側頭頭頂接合部において灰白質の密度が増加。左海馬は感情コントロールに関係し、うつやPTSD(心的外傷後ストレス障害)の人では小さくなっていることが知られている部位であり、側頭頭頂接合部は思いやりや共感に関わっている部位だそうです。

2013年には、209の研究、延べ被験者数1万2000人以上のデータを対象にメタ分析が行われています。結果、マインドフルネスは心理的な問題、特に不安、うつ、ストレスの減少に効果があるといってよいという研究報告も出ており、科学的な裏付けもできています。

 

ストレスの不安や恐怖に反応する「扁桃体」の大きさも縮小するという結果も出ています。

扁桃体が大きいと、ストレスへの過敏な反応につながります。扁桃体が小さくなることで、うつ病予防や、パニック障害の改善にもつながると言います。

脳の機能が戻ることにより、ストレスに対処しやすくなり、ストレスからくる暴飲暴食や心理問題が解決しやすくなります。

また、海馬は記憶をつかさどることから、学習効果も高くなるなど、パフォーマンスアップにもつながるということですね。

 

マインドフルネスは効果がない?

さて、まるで万能のように感じられそうなマインドフルネスですが・・・。
実は騒がれているほどには効果がないという研究も最近出始めています。

例えば、ジョンズ・ホプキンス大学から出た論文です。

グーグルの翻訳機能に突っ込んで読んだところ、
過去18753件の実験を検討し、3515人のデータと有用なもの47件をピックアップして、瞑想が本当に効果があるかを調べたそうです。

結果をかいつまんで言うと、

・不安、鬱、慢性疼痛には効果あり
この3つに関しては薬物治療と同じレベルの効果があるうえに、副作用もまったく認められない。

・メンタルヘルス、QOL(人生の質)の向上には改善が少ないけど効果があるかも

そして、
・気分の改善、体重、薬物、食習慣、睡眠、には明確に他の治療より優れているという証拠はない

というものです。

しかし、実際にこれらの効果を感じている人も研究には混じっていたのです。
効果を感じているけど、エビデンスとして有効性を謳えるほどではないということですね。

もし気分の改善や体重や食(ダイエットや偏食)や睡眠についてマインドフルネスで効果を得たいのなら、実際に効果を得ている人を探して話を聞いて確かめてみるほうがいいかもしれません。

 

マインドフルネスの効果を誤解しているケース

自分でマインドフルネスをやっていても、明確に効果が感じられないという人も実際いるかもしれません。

マインドフルネスができない!効果がない!と言う場合、そもそものマインドフルネス自体を誤解しているケースもありそうです。

流行ってきたことで、ネット上でもちょっと本来のマインドフルネスとは異なる情報が溢れてきているので、そもそも誤解が生じている可能性もあります。

例えば、

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・マインドフルネスとは「心を無にすること」と思っている
・マインドフルネスは完全なリラックス状態
・マインドフルネス瞑想は集中し没頭した状態

これらはちょっと実際のマインドフルネスとはずれています。

マインドフルネスは、自己の感情や思考のリアルタイムモニタリングなので、嫌なものを観察することもあるわけです。
それを淡々と見て流していくことです。

だから、現実を見る行為なんです。色々考えてしまう現実の自分から逃避して、リラックス状態や集中して何もかも忘れる状態にに逃げ込むことではないんですね。

リラックスしている状態も、集中している状態も瞑想中に起こりますが、そうなっていることを、自分でモニタリングしているのがマインドフルネスです。

その結果、自分の無意識の思考の癖に気が付き、別の角度から物事を見れるようになったり、嫌なことがあっても距離を置けるようになり、ストレス対応ができるようになっていくんですね。

もちろん、先ほど述べた脳のMRIによる実験結果により、偏桃体が縮小したり、海馬が大きくなる効果もあるので、瞑想していない時のストレス耐性も上がっていくということです。

本来の状態を誤解したまま、効果の是非を話しているケースには注意をしたほうがいいでしょう。

 

マインドフルネス瞑想ができない

マインドフルネス、特に瞑想については、自分で取り組み、自分の頭の中をモニタリングすることがメインです。
座って瞑想するだけなら、自宅で誰でもできるので、CD付きの本やスマホアプリで気軽に取り組めます。

ただ、どういう状態がマインドフルネスなのかを確かめるすべはなく、できてるのか?できてないのか?がわからないままになっていることがあります。(私はそうでした)

本来のマインドフルネスの考え方であれば、できているとかできていないとか、考えることもまた、観察対象になり、淡々と瞑想を続けましょうということになるのですが・・・。

得てしてストレスフルな状態な人は、明確にわからないことがストレスとなり、それが原因で続けられないこともあり得ます。

疾患を持っている人は、現実を見て流していくことに慣れるのに、人の助けがいるかもしれません。

そういう場合は、マインドフルネスの講座やセミナーに出て、指導してくれる人に質問をしたり、仲間に話を聞くことが有効になってきます。

マインドフルネスがうまくいかない

マインドフルネスの講座やセミナーを受けても、ヨガの先生に習っても、禅寺の修行に行っても、マインドフルネス瞑想が上達しないケースがあります。

認知行動療法の一環でマインドフルネスを行っても、できているのがわからないケースはあるでしょう。

先ほどの研究論文でも、トレーナーの専門知識、実践の量、スキルにはさらなる調査が必要であると書かれていました。

ほとんどの試験でトレーナーの資格が詳細に報告されなかったため、トレーナーの専門知識が臨床結果にどの程度影響を与えるかを調べることはできていないとのこと。

こういう記述があるので、教える人の力量も注目すべきポイントなのでしょうね。

マインドフルネスを教える人によっても効果が変わってきます。

瞑想の適切な誘導であったり、わかるように説明してくれるかどうかも大切です。

重篤な精神疾患を持っているのであれば、医療機関との連携が取れる指導者であることも大切です。

指導者を選ぶのも大切なポイントです。

 

マインドフルネスって期間はどのくらい必要?

また、マインドフルネスで効果を実感するには、継続が必要です。一度や二度の瞑想、気が向いたときにやる程度では、本来得られるはずの恩恵にありつけない可能性があります。

研究結果によれば、マインドフルネス・ストレス低減法を8週間行った人を調査した結果、
体の不調はおよそ35パーセント、
心の不調はおよそ40パーセント

軽減したそうです。

ここから、

不安・うつなどの対策としてマインドフルネスを行う場合は、1日約30分から40分の瞑想を、継続して8週間は行う必要があるとされています。

強いストレスを受けて変化した脳が回復するには、とにかく続けろ!という根性論ではなく、科学的に立証されたデータとして継続がこれだけ必要ってことです。

もし、短期間だけや、間をあけて実践して効果を感じられなかった人は、8週間(約二か月)継続して取り組んでみるといいでしょう。

 

マインドフルネスが続かない!を防ぐために

マインドフルネス瞑想を続けるためには、

本来のマインドフルネスへの理解、環境、指導者、の三つを整えること。
これが効果を出すポイントと言えますね。

また、最低でも8週間、1日に30分から40分継続するようにしましょう。

効果の判断は、継続して習慣化した後に測れるものですからね。

 

マインドフルネス瞑想を継続した結果(追記)

さて、この記事を当初描いたときには、まだマインドフルネス瞑想を始めたばかりでしたが、2018年1月の時点で、6か月継続ができました。私が継続した結果を、経験談としてお伝えしておきますね。

マインドフルネスで集中力がついた

集中力が発揮できるようになりました。

具体的には、こうしてブログの文章を書くときに、いろいろと考えて無駄に迷っている時間が少なくなったと思います。

考えすぎてもしょうがないことには、思い切りも付きやすくなり、さっさとやっていけるのでより時間を集中して使える効果も感じます。

常に自分をモニタリングでき、気づきが増えた

常にもう一人の自分が、自分を冷静に見つめている状態を維持している感じになります。何かをしようとした時に、考えながらできることが多くなりました。その結果日常での気づきが多くなりました。

例えば、掃除はメンドクサイという気持ちが先になりがちだったのですが、ちょっとした気づきが連続して出るようになり、結果的にキレイ好きに。今までは無意識に掃除機を出してかけていただけで、ルーチン作業としてやっていたのですが、汚れている箇所が目に付き、より綺麗にするには?という気付きが出てきて、ちょっとモノをどかして掃除する機会が増えました。

寝付きが良くなった

寝付きは良くなりましたね。しかも、眠りにおちる瞬間に気付きながら、眠りに入れるようになりました。意識が無くなっていく感触がわかりながら眠れるんです。これは面白い感覚です。

睡眠についてはエビデンスがないとはいえ、入眠時の変化はマインドフルネスを行ってから明らかに変化しました。悩みがある人は悩みの解決と共に眠れるのかもしれません。私の場合はさほど大きな悩みがないのでそのあたりはわかりません。

 

と、私の場合は、3つの効果が感じられました。これは個人差があると思いますがので、ご参考までに。

今でも自宅で続けていますが、非常にすっきりした思考で過ごせますね。

 

おわりに・まとめ

・今という瞬間、瞬間への、一切の評価、判断を挟まない、気づきの状態のこと
・不安、鬱、慢性痛には明確な効果あり。メンタルヘルス系にもエビデンスとして弱いが効果あり
・ダイエットや気分の変化や睡眠への効果はエビデンスなし。でも効果を感じる人がいる
・マインドフルネスの正しい理解、指導者や環境、継続が効果をあげる秘訣。

私もいろいろ調べて自分でやっても、あまり効果がわからず、マインドフルネス瞑想の教室に通うようにしました。
そこでは実際にダイエットに成功した人も、病気が改善した人もいました。私も瞑想に慣れることができて、頭がすっきりしてきています。

知識をしっかり得たら、良い環境で継続して実践してみることをお勧めしますよ。

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